この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

借り物禁止というルールが教室名フライヤーにはあります。フリー素材でも使用しない。だから自ら絵を描き、街に出て写真を撮り、中には家族を巻き込む師範代も。まさに編集稽古ビジュアル版。身につけた型をフル稼働させた結晶ともいえるのがフライヤーです。
53期[守]師範代の教室名フライヤー紹介は最終回の3回目。こん身のフライヤーとメッセージをご覧ください。
53期[守]開講は5月13日です。ビビっときたら画面下のリンクへ!
弱さって良くないこと? 強くなきゃいけないって本当かな? わからない、間違い、ちぐはぐ、恥ずしい、人に言えない好き、数え上げたらキリがない「弱さ」たち、歴史の深みには、こうしたフラジャイルの積み重ねがありました。この世の強いものは、実は借り物、肖りもの、弱さの編集の賜物なんです。ならば、思い切って「肖って」しまいましょう! 「あこがれる」は「あやかれる」。その「方法」がここにはあります。(石黒弘晃)
自分の弱さが聞こえたことはありませんか? それは雨の日の景色の様に一瞬の儚さかもしれません。でも、その自分の中の弱さや脆さに気づいた時、それが編集の始まりです。イシス編集学校では弱さを個性と考え、38個の型は、個性を輝かせます。教室でのやり取りはあなたの世界を変える“ラブレター”。ぜひ、たくさんのあなたの可能性を見つけにきてください。(山口奈那)
か弱い光でも、キューブを通せば彩が生まれる。誰もいない夜更けの街のどこかで声がする。伝習座での語りが印象的な二人でした。石黒師範代は仲間から贈られたCMYキューブを握りしめ、山口師範代の手には白紙のラブレターが。弱さは決して弱いままじゃない。始まりなのだ。
軽トラの荷台の高さは約60センチ。身長150センチの人でも荷台に立つと210センチの巨人。たった60センチでも見える景色はずいぶん変わる。イシス編集学校ではセカイの見方をかえる38の方法を学ぶ。「かわると、わかる」「わかると、かわる」。最初の「かわる」を「なんでも軽トラ教室」の荷台からはじめてみませんか。ゴトゴトゴトと荷台に乗って編集の道へ。(菅原誠一)
編集って何だろう? 本を作ること? イシス編集学校の「編集」って思ってたんと違うかも。と思っている方、本棚の写真があるとつい拡大して見てしまう方、どなたもどうぞ。自分という本に表紙をつけて、帯をまいて、そのまま置いておくのはもったいない! まだまだ増補・改訂できるはず。[守]で学ぶ38の型を使って自分も世界も見直してみよう。さぁ、世界に散らばる新しい1ページを探しに、のれんをくぐってみませんか。(織田遼子)
幼い頃は、出会う言葉の1つ1つが驚きだった。いつからでしょう。お決まりのフレーズばかりを迂闊に使い回すようになったのは。あの頃に戻ったように、言葉と遊んでみませんか。あっちこっちと見方を変えれば、見慣れた言葉にだって、違った意味が見えてきます。言葉と言葉の関係を動かし、私という辞書を生き生きとさせるのが、編集です。さあ、編集学校で言葉といっしょに斜めに遊び、世界をワクワクと沸らせましょう。(青井隼人)
トラックの荷台に乗ってみたり、のれんをくぐってみたりすると見晴らしが変わります。ちょっとのことなのにうんとね。ページを繰るたび、“わたし”という辞書がどきどきします。だって、その先にある世界がひらくからね。言葉と戯れて世界の見方がかわるイシス編集学校。みなさんは、どのフライヤーに、メッセージのどこにビビっときましたか? あなたと旅する15週間の編集稽古、53期[守]師範代一同ご一緒できることを心待ちしています。
合いの手:若林牧子(53[守]師範)
景山和浩(53[守]番匠)
アイキャッチ:阿久津健(53[守]師範)
★第53期[守]基本コース
稽古期間:2024年5月13日(月)~2024年8月25日(日)
申込はこちら
編集力チェックでもお待ちしてます
イシス編集学校 [守]チーム
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2025-06-10
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2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。