この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「なぜかフレッシュ」。画面に並ぶ顔触れを見て林頭の吉村堅樹は言った。2022年9月7日。49[守]クローズが迫り、感門之盟の準備が佳境を迎える夜、50[守]師範陣がZoomに集まった。全員がそろうのは初めて。ロールチェンジあり、復帰あり、ベテランあり。かつてない組み合わせは、吉村が言うようにどこか「フレッシュ」だ。
なんといっても注目は新師範だろう。
[破]の師範や番匠、[物語]で活躍した相部礼子が初の[守]師範を担う。49[守]の速修「忖度しないわ教室」師範代に続く[守]ロール。師範でも忖度する気なんてさらさらない。37[花]からは錬成師範の佐藤健太郎と堀田幸義が。48破師範代からは阿部幸織が登板する。阿部は感門之盟のP-1ミーティングを終えて駆けつけたはしごZoomだ。
振る舞いが一段と師範らしくなった阿曽祐子、森本康裕が3期目。2人が守ボードの要となる。49[守]に続く登板となるのは新井和奈、尾島可奈子、加藤めぐみの3人。師範ロールの勘所をつかんだ2期目は思い切りよく動き出すはずだ。
ベテランらしからぬベテラン。49[守]で師範として久々に復帰した鈴木亮太が、今期も目利き力を発揮する。そして深夜2時のハワイから「さっき起きたから大丈夫」と渡辺恒久。47[守]以来1年ぶりの復帰となる。番匠は石井梨香、若林牧子、景山和浩だ。
学匠の鈴木康代は50[守]のキックオフに際し3つのテーマを掲げた。「評価力・ディレクション力・メディエーション力」。3つの力から数期先を見据えた「動的なターゲット」を各々が設定する。動き続ける50守が始まった。
◎50守ボードメンバー────
学匠 面舵いっぱいイシス守女神 鈴木康代
番匠 全方位見抜くカーソル力 石井梨香
イシツを投げる謎かけ婆 若林牧子
涙腺の壊れた守護神 景山和浩
師範 あふれる過剰で先手必勝 阿曽祐子
笑顔の奥にスパルタママ 新井和奈
しゃんと凛とブレない目 尾島可奈子
アナロジカル・アーチスト 加藤めぐみ
ポンカン仕込みの弓心一射 森本康裕
抱擁するダンディ編集力 鈴木亮太
師範でも忖度しないわ! 相部礼子
越境する深夜特急 佐藤健太郎
石鹸も編集も練上げる髭男爵 堀田幸義
星をつなぐダンドリ上手 阿部幸織
南の島のカタ語り 渡辺恒久
景山和浩
編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。
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開講メッセージ『いざ、いまこそのインタースコアを!』が、全20教室に届けられた。2024年10月28日正午。これまで松岡正剛校長の筆だったが、今期から田中優子学長からとなった。松岡校長の思いを受け継ぐタイトルは以前のま […]
普通の自己紹介では始まらない。なにしろ近畿大学×イシス編集学校のタッグ。挨拶代わりにお題が出る。「部屋にあるとっておきの3つをあげてください」。53[守]開講日恒例の交流会は、一風変わった自己紹介から始まった。少しだけ […]
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。