師範代はたくさんの属性を公私混同すべし【49[守]伝習座開催中】

2022/04/02(土)17:18
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春のイシスは着替えの季節である。3月21日の感門之盟からわずか10日のうちにすっかりロールチェンジをはたす。学衆から師範代へ、師範代から師範へ。師範から再び師範代へ。10年ぶりに師範の袖を通す者もいる。

 

この春、多読ジムスペシャルコースの冊師から49[守]師範へと軽やかに着替えたのが加藤めぐみ師範である。2022年4月2日の伝習座で担当した用法1語りのタイトルは「〈属性〉仕立て」。“かとめぐ”こと加藤師範自身、「AI疑惑の超絶アーチスト」「謎めく21世紀の女」松岡校長をして「次世代のリーダーになるだろう」と言わしめた「iGen」など、これまでに多くの属性をまといつづけている。

 

加藤師範は、「属性」とはなにかに立ち返り「〈属性〉は『内的属性(本質)』と『外的属性(偶有性や様態)』に分けてとらえられる」と捉えた上で、「イシスではこの二つの属性を区別しない。そうではなく、無数の外的属性(偶有性や様態)の組み合わせが、あなたをあなたという本質(内的属性)たらしめているのではないだろうか」と属性を編集することで広がる別様の可能性を示した。ちなみに、かとめぐのファッションは毎回注目を集めており、松岡校長も密かに楽しみにしているという。

 

つづいて登場したのが阿曽祐子師範。初の師範を担当した48[守]では、教室での編集稽古をスクープするエディストライターロールへの早着替えで新しい師範モデルを披露した。49[守]の伝習座では指南語りから用法2語りへロールチェンジしている。

 

「情報とは差異であり区別すること。情報はすでに必ず関係(構造)が内包されています。情報は一人ではいられない『ハイパーリンク状態』なのです」。この前提に、用法2の編集思考素やスコアについて語りを始めた阿曽師範。「できるかぎり公私混同をめざす。公私を区切るタブーがあれば、それにも挑む。そこに「共」が生まれてきたら、『共の場』で遊ぶ」という松岡校長の言葉を引用しながら、「『公×私→共』の一種合成を実践する校長に肖って、師範代でも公私混同であってほしい」とエールを述べた。

 

ロールが変わればツールもルールも動く。指導陣のロールチェンジと共に、49[守]講座も装いを新たに始動した。

 

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イシス編集学校 

第49期[守] 指導陣

2022年4月25日(月)~2022年8月21日(日)

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 ■師範代

  小松原一樹 ● 八段プラモデル教室

  大塚信子  ● 唐傘さしていく教室

  総山健太  ● ライ8反攻教室

  宮坂由香  ● 感応おにぎり教室

  齋藤彬人  ● 赤いランドセル教室

  福井千裕  ● きざし旬然教室

  安田晶子  ● キジトラ疾走教室

  森重 実  ● 配線うなる教室

  船山一樹  ● 三叉毘沙門教室

  寺田悠人  ● アニマ臨風教室

  三津田恵子 ● かく書く然り教室

  西村宜久  ● ニシダ鳥肌教室

  三浦純子  ● ピッピ乱反射教室

  古谷奈々  ● にじゆら発色教室

  古澤正三  ● 脱皮ザリガニ教室

  野住智惠子 ● 男装いとをかし教室

  相部礼子  ● 忖度しないわ教室

  滝沢 章  ● 切実ゲノム教室

  辻井貴之  ● 渇望ネオモード教室

 

 ■校長 松岡正剛
 ■学匠 鈴木康代
 番匠 若林牧子、石井梨香
 ■師範

  阿曽祐子、新井和奈、大澤靖永、

  尾島可奈子、景山和浩、加藤めぐみ、

  嶋本昌子、白川雅敏、森本康裕、

  鈴木亮太、井田昌彦

 

 第49期[守]基本コースの詳細・申込はこちら

 

 

 

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。