この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix、『遊刊エディスト』誌上で予選を開催中。第77回感門之盟での本選出場をかけて、各教室から短期決戦の応援合戦だ。さあ、あなたも心惹かれるプランに投票を!
プラン7:ほろよい麒麟教室/めざめる自然ミュージアム
~自然を敬い畏れるこころを育てる。未来を生きるきみたちへの贈物~
■二重の災いを乗り越えるために(クライアント:60才男性)
コロナウイルス終息の願いとともに「アマビエ」のイラストを描く人々がSNS上で続出したのが2020年2月。以後「アマビエ」は一躍脚光を浴びました。
人間の技術力では到底及ばないであろう有事に、異界の力を借りて終息したという物語はいつの時代にもありました。いまの日本はどうでしょう。天災と人災とその両方を負っています。これから二学期が始まる子どもたちは、この二重の災いを通過しなければなりません。
小学校教師として定年を迎えた今、子どもたちに提供するべきことは何か。これまでの自然に親しむ体験学習だけでは足りません。自然の驚異を知り、さらに人災の根源にあるものまでを見通さなくてはいけないからです。
■めざめる「自然とわたし」を獲得する(プランナー:山本昭子)
そこでこの「めざめる自然ミュージアム」に注目してもらいたい。そもそも自然が人間を受容するという義理はありません。この「めざめる自然」とは「自然の生身」のことです。これまで先人は荒ぶる自然に畏怖をもって受け容れてきた。自分と異なるモノたちと共生してきた。この共生史クロニクルを疑似体験で再現していきます。
なかでも一番人気なのが「闇体験」。なんと<妖怪>と手をつなぐこともできるんです。うふふ。
物の怪たちの現在的な意味(歴史的現在)を知る。狙いは無責任な多様性礼讃からの脱却です。
不条理をも覚悟して寛容へと向かう子どもたちの育成を目指します。
企画案:46[破]ほろよい麒麟教室学衆 山本昭子
画像提供「畏」:同 師範 齋藤成憲
▼投票はこちら
読者投票あり!!46[破]「DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix」プランニング編集術アワード予選を開催
投票締め切り:2021年8月25日(水)24時
→プラン7:ほろよい麒麟教室/めざめる自然ミュージアム
齋藤シゲノリ
編集的先達:梶原一騎。編工研バイトがきっかけでイシスに出会う。レスリングマニアで、編集学校イベントでは必ずプロレスTシャツで登場。学衆が師範代を娶る逆イシス婚を寝技で決めた。妻は納富師範代。
1mm粒のリミックスがP1を制す。第3回P1グランプリ【78感門】
●[破]はとうの昔からハイパーだった! 「ハイパーはすでにして[破]であり、[破]はとうの昔からハイパーだった」!47[破]評匠の中村まさとしがP1グランプリの口火を切った。[破]の総決算ともいうべき稽古がプランニング […]
「いいかい、これは歴史と地理の辞典だよ」。宮澤賢治『銀河鉄道の夜』の一節だ。 未知奥連の弦主・森由佳がイシス編集学校に入門したきっかけは『情報の歴史』(松岡正剛、編集工学研究所、NTT出版)だった。ふっ […]
2019年7月27日、花伝所最後のカリキュラムとなる花伝敢談儀が行われた。 本楼の本棚劇場のド真ん中で、放伝生が編集術でフェチをお披露目。江野澤由美師範代(41[破])と林朝恵番匠(43[守])、吉村堅 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。