この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix、『遊刊エディスト』誌上で予選を開催中。第77回感門之盟での本選出場をかけて、各教室から短期決戦の応援合戦だ。
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プラン2:アジール位相教室/ハッコウクエスト~発酵キングダムへの招待~
ド派手で不思議なヤツラ。発酵世界の勇者を醸す冒険ミュージアム。
■わたしたちはナニモノかになりたい
2021年夏、小中学生の人気職業の上位には、ユーチューバーやプロスポーツ選手、お医者さんが並ぶ。子どもたちの「なりたい」は時代とともに多様化する。だがそこに紐づくのはいつだって「夢中」と「憧れ」だ。
本プランの想定クライアントは、伊豆大島でクサヤを作る食品会社の社長。先代の仕事を尊敬し憧れ、後継者となった。このミュージアムは、そんな彼の憧憬が生んだキングダムともいえよう。
■地味でド派手なスーパーヒーロー
発酵文化は日本が世界に誇る食文化である。味も身体にもよく、保存も効くかつてのスーパーフードだが、化学食品の普及に押され地味な立場となったのも否めない。しかし、誕生の背景には驚くような偶然性もある。放置していた麦の粥に酵母が入ってビールとなったような偶然の必然。
そうした発酵の「ド派手」な要素に光をあて発酵の隠れた可能性をひらくことで、子どもたちが憧れるスーパーヒーローになれないか、それがハッコウクエストの願いである。
■発酵のワクワク 冒険のドキドキ
来場者は勇者となり、ミュージアムのルル3条は英雄譚に仕立て、菌の魔法のワクワク感や冒険者としての成長を体験する。
くささ測定器アラバスター、キビヤック実物大模型、発酵の音が聴けるフォーンブース。ヤツラはモンスターか、それとも仲間か、勇者には菌からの試練と闘争が待ち受ける。
そして、ルークにとってのオビ=ワンのように、賢者、伝道師、博士が、彼らを召喚し導くだろう。新たな憧憬と夢を、ここで醸して欲しい。
企画案:46[破]アジール位相教室学衆 浅見政和
画像作成:同 学衆 富田七海 るー
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投票締め切り:2021年8月25日(水)24時
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天野陽子
編集的先達:寺山修司。公共図書館長にして短歌会の歌人。師範代から即破師範へ。初師範時には別院でうたよび企画を展開した。言葉のアンテナを立て、日夜若者言葉からの新たなオノマトペの収集に勤しむ天然詩人でもある。
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コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。