38[花]花の盛り・盛りの花 キャンプ開宴 

2022/12/16(金)15:00
img JUSTedit

12月13日、EditCafeにそらみつ境がオープンした。

 

38[花]「指南編集トレーニングキャンプ」のセンターラウンジ、つまりはキャンプ場だ。7週間の式目演習を終えた入伝生は、週末キャンパーに着替える。


そもそも「キャンプ(CAMP)」の語源はラテン語の「キャンパス(campus)」平らなところという意味で、南北戦争の時代にアメリカで始まり、学生に兵士の行動を体験させる活動のことだった。やがて、野外で一時的な生活をすることで自然環境から人類の発展の基盤を学ぶムーブメントとなり、それぞれの時代、社会を写す鏡として展開され広まっていった。今ではレクリエーション的な意味合いのキャンプをイメージすることが多く盛んになっている。一方で、なんらかの目的を達成するための手段としてのキャンプを体験した人は少ないかもしれない。


38[花]のキャンプが映し出すのはいったいどのような世界なのだろうか。ドキドキの奥から、好奇心がムクムクと顔をだし待ち受ける世界への挑戦というのはIだ。

週末に向けていまからドキドキしております。どんな世界が待っているのか、どんな世界が見れるのか、どんな世界を聞けるのか!未知への挑戦です。

 

Yは冒険にでかけるためのツールを準備している。

1.虫眼鏡・双眼鏡
2.顕微鏡・望遠鏡
3.磁針と地図

 

「近いようで遠く、遠いようで近いもの」はなにかと『枕草子』にも語られているが、見えそうで見えない、どこにでもあるようでどこにもない。キャンプはそんな夢のような時間なのかもしれない。

 

ホテル並みのサービスを楽しむグランピングや、一人で楽しむソロキャンプではなく、下見もできない、地図もない、ナビもいない場へと飛び込んでいく。肩を寄せ合い語りあうグループもあれば、一人で星空を見上げることもあるだろう。編集をキャンプする二日間にどれだけの言葉が交わされるだろうか。会話の密度は、対話の濃度と比例するとは限らない。もっと奥へ、もっと深くへむかう対話は、愉しく、苦く、淡く、儚く、ときに切なくもなるだろう。38[花]の盛りにむかえる二日間は、キャンパーが花を交換、交感、交歓する宴だ。それが、キャンプの醍醐味だ。

 

さあ、式目を手にウィンターキャンプへ出かけよう!

 

文 吉井優子
アイキャッチ 阿久津健

 

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  • イシス編集学校 [花伝]チーム

    編集的先達:世阿弥。花伝所の指導陣は更新し続ける編集的挑戦者。方法日本をベースに「師範代(編集コーチ)になる」へと入伝生を導く。指導はすこぶる手厚く、行きつ戻りつ重層的に編集をかけ合う。さしかかりすべては花伝の奥義となる。所長、花目付、花伝師範、錬成師範で構成されるコレクティブブレインのチーム。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。