37[花]プレワーク記憶の森の散歩スタート

2022/04/18(月)20:45
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「方法日本をテーマに」
田中晶子所長の合図で37[花]プレワークが開幕した。入伝生が勢いよく点呼に応じ始める中、深谷もと佳花目付からは、早速ワークが出題され、早くも回答が集まっている。プレワークは基本、自主稽古で師範の指導はまだつかず、ときどき横槍が入るのみ。自分自身で編集エンジンを起動させ、仲間との共読からどれだけ学びを深められるかが鍵となる。

 最初のお題は守破の稽古体験を「振り返る」ことからスタート。「思い出す」ことは、リバースエンジニアリング(RE)もどきの働きをしており、あらゆる「学問」や「ものづくり」の形成にも欠かせない。REは編集術を学ぶ上でも強化すべき技能であり、これを身につけると広範囲で応用が可能になる。編集コーチ(師範代)にも欠かせない、このスキルを徹底した人ほど活躍が目覚ましい。30名の入伝生がどんな風に記憶の森を散歩するのか、指導陣は固唾をのんで見守っている。

 

文 林朝恵(花目付)
アイキャッチデザイン 阿久津健(錬成師範)

  • イシス編集学校 [花伝]チーム

    編集的先達:世阿弥。花伝所の指導陣は更新し続ける編集的挑戦者。方法日本をベースに「師範代(編集コーチ)になる」へと入伝生を導く。指導はすこぶる手厚く、行きつ戻りつ重層的に編集をかけ合う。さしかかりすべては花伝の奥義となる。所長、花目付、花伝師範、錬成師範で構成されるコレクティブブレインのチーム。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。