離の「破」から離の「離」へ【十五季[離]表沙汰まもなく】

2022/08/27(土)12:52
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イシス編集学校の[離]世界読書奥義伝は、しばしば「一生の離」と形容される。これは決して過言ではない。なぜなら、[離]は、日本唯一の松岡正剛直伝講座であり、松岡校長がこれまでの人生をかけてきた編集工学の極意や編集的世界観を惜しみなく注ぎ込んだ門外不出の「文巻」で世界読書をするただ一つの場であるからである。入院を果たした[離]学衆は、「文巻」とともに稽古に励みながら編集を人生していく。

 

松岡校長は、毎季「文巻」に必ず手を入れ、アップデートをつづけている。この第十五季は、太田香保総匠を中心に講座全体にも大幅な再編集がなされている。その再編集の一環として、[離]の稽古を「離の守」「離の破」「離の離」と三間連結で構成し直し、それぞれの段階に基づいてお題の改変をつづけてきた。

 

二〇二二年八月二七日(土)十三時、猛暑日の豪徳寺で表沙汰が幕を開ける。

 

全一二週にわたる「文巻」は、これまでに八週分までが手渡され、離学衆は「離の破」から「離の離」へとシフトチェンジする時期に入っている。その節目となるのがこの表沙汰である。残念ながら離学衆はリモートでの参加となるが、全指導陣である「火元組」は本楼に集い、これまでの稽古ぶりを踏まえ、今後の期待も込めながら、松岡校長の編集的世界観の方法を手渡していく。

 

今日の表沙汰のプログラムは、火元組からのメッセージ、太田総匠と小倉加奈子析匠によるレクチャー、二院に別れてのリアル指南、火元校長による直伝講義を予定している。

 

火元組の焚き付けに、離学衆はどのようなトランスフォーメーションを果たすのか。

表沙汰の幕開けは、まもなく。

 

※アイキャッチは午前九時半の本楼。

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。