松岡正剛 書の推敲プロセス初公開!

2019/10/05(土)19:49 img
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 稽古と本番のAIDA。

 

 2019年10月5日に開講した、第15期ハイパーコーポレートユニバーシティ(HCU)のテーマだ。

 

 毎回のテーマを松岡校長(HCUでは塾長である)は書に掲げ、会場でHCU塾生を出迎える。とはいえ、書も一発で「本番」とはならない。ここに松岡正剛「稽古」の推敲プロセスを公開する。

 

1稿目

稽古と本番のアイダが詰まりすぎている。

 

2稿目

コンポジションがいまいち。「と」が要らないと判断。稽古と本番の差をつけよう。

 

3稿目

「と」を取って、稽古と本番の筆を変えてみる。「大」と「十」を組み合わせていた「本」を普通の字に戻す。

 

4稿目

薄墨で縦線を引く。「稽」ののぎへんの「ノ」と、「番」の「ノ」が同じ斜め線になっていたので書き方を編集。これにて完成。

 

 

 文章も書もイベントも、その場その人その時を思いながら、何度も推敲を繰り返していく。松岡正剛の編集実践の日々。

 

 

 

本番を囲むたくさんの稽古。松岡校長の妹の名もケイコ。

 

 

 

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。