懐かし番匠コンビ 今度は同朋衆でタッグ

2019/12/17(火)22:49
img JUSTedit

懐かしい男たちが帰ってきた。

 

 44[守]で17期ぶりに復活した「一種合成」番選ボードレール(番ボー)。その講評に向かう「同朋衆」に渡辺恒久と大澤靖永の名前がある。ともに17[守]で師範代をし、師範・番匠として20期代の[守]を支えたエディストだ。今回はゲスト同朋衆として久しぶりにEditCafeにログインしている。

 

 番ボーのエントリー締め切りは2019年12月1日だった。久しぶりに[守]の空気を味わい、稽古模様を眺め、勘を取り戻すように書き進める元番匠コンビ。渡辺は14日に行われた[守]伝習座にもオブザーバーとして参加した。師範代の表情や言葉に直に触れ「『この人たちのために書くんだ』という気持ちになれた」と語る。大澤も引っ越しの合間を縫って各教室を巡り、作品を磨く過程にまで神経をとがらせ書き進めている。

 

 足利将軍のもと、文化の骨格づくりや継承を担った芸能集団にちなむ同朋衆。単に作品に優劣をつけるだけではない。それぞれの数寄を選好基準に、編集の多様性や可能性を伝えることも使命だ。今回の番ボー講評を担当するのは、林朝恵、和田めぐみら当期の師範・番匠を加えた4人。講評は間もなく[守]別院に届けられる。

 

24期[守]は4番匠体制だった。伝習座で話す、右から大澤靖永、渡辺恒久、景山和浩、森由佳

  • 景山和浩

    編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。