「フレッシュな貫禄」51[守]ボードが加速する

2023/03/16(木)12:05
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 チョンチョン、チョーン!新たな柝が入る。


 Zoom画面の幕が開き、仕立て下ろしたばかりの顔が並び揃っていた。柔和な表情とは裏腹に編集態勢は整っているようだ。

 

 2期ぶり2期目なのに貫禄たっぷり角山祥道。花から舞い降り峻厳さを増す阿久津健。たじろぐどころか風格さえも漂わし喝破する石黒好美。世界を観て精悍な風貌に誘い込まれる稲垣景子。初登板なのに堂々とした姿がある。51[守]師範陣が集まったのは2023年3月7日のことであった。
 続投で変わらぬ顔ぶれも見えてホッとする居心地の良さもあるが僅かに残る違和感こそが、変わることへのシグナルを発しているのかもしれない。

 

 ターゲットを動かしながらの対話で「こと」を起こす編集「問・感・応・答・返」が大事である。学匠の鈴木康代は51[守]のスタートに際し「社会化したわたしからイシスな私へ。変革の稽古となるように」と指導陣へ問いを投げかけていた。
 51[守]は稽古期間が15週間と短くなり加速するからこそ、編集をもっと遊ぶべく開講を待ちわびている。


◎51守ボードメンバー────

 

 学匠    稽古百景を千転し万遍に笑う 鈴木康代

 

 番匠    未知の編集に機を逃さない  景山和浩
       一滴の勇気を添える香草力  若林牧子
       禅機における無我の述語   渡辺恒久

 

 師範    大地に根ざし活力を耕す   阿曽祐子
       忖度なく繊細にくすぐる妙  相部礼子
       軽快に奏でるハーモニスト  阿部幸織
       守破を繋ぐ凜と舞うバンビ  尾島可奈子
       飽くなきうねるアングラ   角山祥道
       三度の飯よりカレーな編集  佐藤健太郎
       ファインダー覗くヘンゲ師範 堀田幸義
       笑顔の太陽光をふり注ぐ   稲垣景子
       鱗片のアイキャッチャー   阿久津健
       有事を起こすフェミニスト  石黒好美

 

  • 堀田幸義

    編集的先達:半村良。SFを愛するデジタルマーケター。石鹸づくり、マラソン、大人の塗り絵に定期的にハマるオタク気質もある。食事前に親父ギャグを連発し家族には白い目で見られ、師範代時代には学衆に感門之盟のファッションもコーディネイトされるというツッコマレキャラ。サトケン師範とは名コンビ。

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    日本海側と西日本で雪が猛威を振るう中、束の間の逢瀬を精一杯楽しむために本楼へ集う学衆と師範代がいた。  1月28日(土)、合同汁講決行。傑作ペパーランド教室、モモめぐむ教室、柑橘カイヨワ教室、止観エンドース教室からリア […]

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。