この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

本日の「遊刊エディスト」は武邑光裕DAY!!
メディア美学者・武邑光裕さんのゲストイベント「ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む 第四弾 武邑光裕篇」を告知する本記事とともに、「【AIDA】「新中世」時代に考えるメタヴァースの将来(武邑光裕ロングインタビュー)」の二本の記事がエディストに一挙公開されます。
あわせて、過去記事の「【AIDA】DOMMUNE版「私の個人主義」!!!!! by武邑光裕」、「【AIDA】リアルが持っている代替不可能な感覚情報がAIDAで鮮明になった<武邑光裕さんインタビュー>」も読んでもらえれば、「『情歴21』を読む」イベントの参加準備は万端です。
https://edist.isis.ne.jp/past/aida2-5_takemura/
「ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む 第四弾 武邑光裕篇」は、2022年5月18日に開催予定。これまで「『情歴21』を読む」は、大文豪バルザックと対峙した第一弾「山本貴光篇」を皮切りに、中世の東西教会分裂から現代のウクライナ問題までを一気通貫した第二弾「大澤真幸篇」、さらに、江戸開府と明治維新のあいだの動因と渦にズームインした第三弾「田中優子篇」が連続連打されてきました。
そして、四番バッターの第四弾「武邑光裕篇」では、中世の相似系とも言える現代を「新中世時代」と位置づけ、「分散型ドロップアウト」や「メタヴァース」、「三体問題」(東洋・西洋・デジタル)をキーワードに『情報の歴史21』(編集工学研究所)の複相トラックを縦横無尽にめぐります。あるいはそもそも「リアルとは何か?」「バーチャルとは何か?」という存在の根本問題を問いかけながら、またとない知的興奮に満ちた、武邑流のサイバー空間が立ち上がってくることでしょう。
『情歴21』×武邑光裕のコラボレーションの実現に編集工学研究所・松岡正剛所長も太鼓判を押しています。どうぞお見逃しなく!
左から『プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明』(黒鳥社)
『ベルリン・都市・未来』(太田出版)
『さよなら、インターネット――GDPRはネットとデータをどう変えるのか』(ダイヤモンド社)
『サイバー・メディアの銀河系―映像走査論』(フィルムアート社)
「ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む」は、古代から中世、近世、近代そして2020年まで古今東西様々なジャンルを見開きで一望できる『情歴21』という一大クロニクルに、どんな可能性があるのか、どのように使い倒すことができるのか、さまざまなゲストが自らの方法を開陳するスペシャルイベントです。このアーカイヴは書籍化の構想もあり、今後も毎月一回ほどのペースで続いていく予定です。まだまだ見逃せない情歴プロジェクト、今後の展開もどうぞお楽しみに!
ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む 第四弾 武邑光裕篇
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2022年5月18日(水) 19:30~22:00
■会場:
リアル参加:本楼(世田谷区豪徳寺)
オンライン参加:お申し込みの方にZOOMアクセス情報をお送りします。
■参加費 :
リアル参加:¥ 3,850(税込)
オンライン参加:¥ 2,200(税込)
■参加資格:どなたでもご参加いただけます。
■お申込み:以下よりお手続きください。
https://shop.eel.co.jp/products/detail/397
*プルダウンでリアル/オンラインをお選びください。
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金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。