未来へ伝える井上ひさし ー 松岡正剛 × 井上麻矢

2019/09/20(金)22:42 img
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 井上の<日本語の問題>には

  どんな素材も主題も細部も吸収できる台所が用意されている。

 

 ◆千夜千冊0975夜『東京セブンローズ』

 https://1000ya.isis.ne.jp/0975.html

 

 

 かつて、松岡校長は作家の井上ひさしさんを連塾のゲストに迎え、日本語の未来について語りあった。光陰矢のごとし。今年、没後10年を迎える。

 

 後を継いで劇団こまつ座をとりしきる娘の井上麻矢さんが、豪徳寺のイシス館に松岡校長を訪ね、井上作品の未来について助言を求めた。その対談が劇団機関誌『the座 no.102』(松岡×井上麻矢対談20190918)に掲載されている。

 

 麻矢さんはイシス編集学校の学衆だ。父・ひさしさんから「松岡さんがやっている学校だからしっかり学びなさい」と背中を押されて受講した。第12期[守]の「胸中サンズイ教室」で、麻矢さんは常にトップ回答。

 

 2017年のISISフェスタ「言葉と型」ではメインゲストとして登壇し、学んできた編集術を井上ひさしさんの演劇に重ねて語った。


ISISフェスタver.5(2017.3.11)

 

◎校長は井上麻矢さんのエッセイ『夜中の電話』も千夜千冊1625夜で紹介している。
https://1000ya.isis.ne.jp/1625.html

◎劇団こまつ座は、作家・井上ひさしさんの没後10年記念作品を公演中。9月は『日の浦姫物語』(9/6~23 紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA)。劇団こまつ座 http://www.komatsuza.co.jp/index.html

  • 田中晶子

    徹夜明けのスタッフに味噌汁を、停滞した会議に和菓子を。そこにはいつも微笑むイシス一やさしい花伝所長の姿があった。太極拳に義太夫と編集道と稽古道の精進に余念がない。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。