この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

2年ぶりのオツ千ライブが帰ってきた!
千夜坊主の吉村堅樹と千冊小僧の穂積晴明によるおっかけ千夜千冊ファンクラブ、オツ千! 2023年のインスタライブ『サブカルズ』以来のオツ千ライブになる。多読アレゴリアで千夜千冊パラダイスを主宰する二人が、クラブを代表して今期のキー千夜千冊『記憶術と書物』をおっかけます。
今回、オツ千コンビがライブで交わすのは千夜千冊1314夜『記憶術と書物』です。ブックウェアとアルス・コンビナトリア。まさに編集工学の本丸、松岡正剛のライフワークでもある、この2つがテーマの重量級の一夜である。
読むとは、記憶を動かすことである。
記憶するとは、自然や社会や出来事や思考や心情を、
「読めるようにしておく」ということである。
そのように記憶と読書が対応するように
太中世の書物はつくられ、その書物が活用されてきた。
書くことと読むことは、同じ作用だったのだ。
そこには、読み書き両用の編集法と用語法と注意法が
つねに用意されていた。
それを基礎付けているのが記憶術である。
記憶と書物をめぐるアルス・コンビナトリアは、
IT検索社会の今日にこそ、勇躍、蘇るべきだろう。
(1314夜 メアリー・カラザース『記憶術と書物』)
昨年に逝去した松岡正剛が、これからのイシス編集学校で特に注力すべきなのは「アルス・コンビナトリア」と「リプレゼンテーション」と託した。そのためにはどうしても押さえておきたいのが、この『記憶術と書物』である。中世の書物と記憶術がどのように切り結ばれていたのか、はたまたAI時代の現代の記憶術はどのようにあるべきなのか。坊主と小僧がそれぞれの仮説と実践をもって、記憶の奥へと踏み込んでいきます。
さあ、撮り直しなしの一発LIVE! 坊主の失言がまたまた飛び出すのか、二人の記憶が真っ白になって事故となるか、いやいや新たな記憶術への提言となるか。それはご覧になってのお楽しみである。今回は、YouTubeとインスタの同時配信。千夜千冊を一読いただいて、ぜひご視聴ください。
おっかけ!千夜千冊ファンクラブ
インスタライブ&YouTubeライブ開催!
千夜千冊1314夜『記憶術と書物』を読む
3月18日(火)
20:00〜21:00 ライブ配信
YouTube Live https://www.youtube.com/live/TriZcz-j364
https://www.instagram.com/isis_editschool/
オツ千インスタライブ視聴方法 3ステップ!
① Instagramのアプリをダウンロードする
② ISIS編集学校のInstagramをフォローする
吉村堅樹
僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。
【オツ千ライブ!】6/10 20時より 1770夜 ミシェル・セール『小枝とフォーマット』配信
千夜千冊パラダイス特集 ミシェル・セール『小枝とフォーマット』をライブでおっかけ! 千夜坊主の吉村堅樹と千冊小僧の穂積晴明による「おっかけ千夜千冊ファンクラブ」こと、オツ千! 松岡正剛からも、ぜひオツ千してもらいたい […]
【オツ千ライブ!】6/3 1852夜『知能の物語』をおっかけ生配信
千夜千冊 絶筆篇第二弾 1852夜をライブでおっかけ! 千夜坊主の吉村堅樹と千冊小僧の穂積晴明による「おっかけ千夜千冊ファンクラブ」こと、オツ千! 松岡正剛が逝去して9ヶ月後に始まった千夜千冊 絶筆篇をおっかけるオツ […]
「おっかけ!千夜千冊ファンクラブ」。ちぢめて「オツ千」。千夜坊主こと林頭の吉村堅樹と千冊小僧こと方源(デザイナー)の穂積晴明。「松岡正剛の千夜千冊」ファンを自認する二人が、千夜のおっかけよろしく脱線、雑談、混乱の伴走する […]
【急報】4/5 伝習座 無料生配信決定! 田中優子の「あやかり編集力」
*先日お知らせしたzoomURLに誤記がありましたため、2025年4月2日14時付にてzoomURLの更新をしました。大変恐れ入りますが当日はお間違いないようご確認をお願いいたします。 伝へて習はざるか […]
【オツ千SP.9】macaroom アサヒさん来楼!安部公房を追っかけスペシャル
「おっかけ!千夜千冊ファンクラブ」、ちぢめて「オツ千」スペシャルは、千夜坊主・吉村と千冊小僧・穂積がおっかけしているミュージシャンであり文筆家、macaroomのリーダーであるアサヒさんをお迎えしました。 アサヒさん […]
コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。