【エアサックス加藤の三度目の突破02】インタビューは天狗さまに

2022/10/25(火)23:30
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スニーカーならエアマックス。NBAはエアジョーダン。ダイノジはエアギター。そしてイシスにはエアサックスと呼ばれる男がいる。

感門之盟で音楽を学ぶ卒門学衆としてフィーチャーされたものの、サックスの演奏が未熟だったため、校長から吹かないで持ってるだけにしてとディレクションされたことから、「エアサックス」の愛称がついた。49[破]学衆・ヤマネコでいく教室、加藤陽康。これは3度目の正直ならぬ3度目の突破にかける若者の4ヶ月に渡る編集稽古のドキュメントである。


 

 天狗はどうしてお山にいるの? それはお山が好きだからさ。


 49[破]開講から1週間が過ぎた。エアサックス加藤は、編集天狗にインタビューをしていた。[破]のお題1-04番インタビュー編集術である。インタビューとは、「インター・ビュー」。互いのビューを交わす、覗き込む編集になる。お題では「夢中になっていること」「縁を感じること」「子供時代の思い出」の3つについてそれぞれ聞くことになっている。エアサックス加藤は、なぜ編集天狗が自分に関わることに夢中になっているのか、天狗は子供時代から山が好きなのか、どうしてそんなにお山に縁を感じているのかを、戸惑いながら問いかけた。

 

 天狗がインタビューの相手でよかったのかどうかはさておき、果たしてエアサックス加藤は稽古をしているのか? そう、していたのだ。1-03番まで順調に回答をし、自ら再回答まで進めている。前期は最初で挫折していたことを考えると別人である。まだまだ加藤は信用できないと思いつつも、編集天狗もオネスティー上杉もほっと一息ついた。「ちゃんと回答を続けていると意識が変わってきた気がする」と、早くも加藤は自分の変化まで口にし始めた。エディスト記事をみた教室仲間からは「天狗に連れていかれないようお互い頑張りましょうね」「編集術をいかした新たな音楽、完成したら是非お聞きしたいです」などと温かい声も届いて、加藤も満更ではない様子だ。

 

 本日は、1-07番文体編集術のクライマックスとなるセイゴオ知文術のお題が届いた。このお題は、全教室横断のアワード「アリスとテレス賞」の対象お題である。加藤は教室でいの一番に、中村桂子『生命誌とは何か』を選んだことを宣言した。選本理由は「生命科学の本で、専門的な知識を織り交ぜながら語る本を読んでこなかったから」だそうである。これまで全く手に取ったことがないジャンルの本を選んだエアサックス加藤。その心意気はよしとして、今回はエントリーすることができるかどうか。そして、エアサックス加藤は見事AT賞に入選することができるかどうか。編集天狗からの指令はAT賞2席以上。三度目の突破への最初の関門がやってきた。

 

 


【エアサックス加藤の三度目の突破】バックナンバー

【エアサックス加藤の三度目の突破02】インタビューは天狗さまに(本記事)

【エアサックス加藤の三度目の突破01】編集天狗と突破を誓う!

 

 

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。