そして師範はマグロになった 混迷する20感門近大リハ

2020/09/19(土)23:00
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「マグロでいこう、マグロで」

 

本楼と近大、そして九州をつなぐ3拠点配信。おまけに学衆はオンライン。

現場の混乱は青天井だった。迫りくる本番、崩れ落ちる計画。

橋本は呻き、福田は吼える。

 

濁流のようなリハーサルに、川野は押し黙る。

口を開けば、とつぜん「マグロ」という編集方針を放流。

事態は混迷を極めた。

 

 

ひとり、またひとり、指導陣はリハ会場から逃げだし、原寸大のマグロレプリカまえで立ちすくむ。

 

お前も冷凍マグロにしてやろうか。

その声が聞こえたときには、もう遅かった。

 

 

 

 

マグロ人間は果たして、明日までに解凍されるのか。

師範は半年のねぎらいを60秒に凝縮し、

師範代はZoom越しに学衆愛を届けられるか。

そして感門本番、マグロは登場するのか。

 

心の刺身包丁をよく研いで、近大からの中継を待たれよ。

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。