【参丞EEL便#035】地域にこそ、編集力と対話の場を

2023/02/15(水)20:12
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「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」

 

一橋大学ビジネススクール客員教授の名和高司さんを、3月25日(土)に開催する広島県での対話イベントにゲストとしてお招きすることになった。

イベントは、EELが支援している広島県での全国初!の問いと本と対話の共同知プロジェクトの活動報告と、ほんのれん(ティザーサイトがオープン)のお披露目の場になる。プロジェクト名は、未来するブックサロン「呼問」となった。本が問いを呼びさますサロンとなり、問いが問いをうむ問答多様のコモンズになる。

 

新たな(日本型)経営モデルを提言する著書『パーパス経営』の中で、名和さんは、松岡校長の日本という方法や編集力について冒頭の言葉のように、力強く言及されている。和魂がなくて洋才か米才かだけに頼る米国追随型の企業組織に釘を刺し、不揃いの異なる才を組み合わせて別様をうみだす能としての編集力こそ、日本の強みであって、取りもどす必要があると説かれた。

 

今回のイベントでは、地域や企業といった枠組みすら越境し、コネクトして、組み合わさることの可能性を交わす場になる。

イベントは、オンラインで無料視聴可能で、申し込みが開始した。



[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//

  • 橋本英人

    函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。

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コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。