イシスをDAN ZENにする7人【iGen003】梅澤光由 全身義体を夢見る エディトリアルジャズピアニスト

2021/09/27(月)11:19
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■イシスをDAN ZENにする iGenセブン

 

松岡正剛をして「きっと次代のスターになるだろう」と言わしめたイシスiGen7人衆がいる。

その活躍は目覚ましく、師範講義遊刊エディストエディットツアーなど編集学校のあちこちで頭角を現し、新しいメディエーションの方法を築き始めている。そんなiGenとは一体何者なのか? 

 

青春時代をポケベルとプリクラとルーズソックスで過ごしたロスジェネ世代のEditorShip編集長 後藤由加里がiGenたちが日頃感じていることから、編集学校のこれからを訊いた。

遊刊エディスト紙上でも、7回に分けて特別転載してお届けする。

 

▲イシスのiGenは、千夜千冊1764夜『ホモ・デジタリスの時代』に登場した。

 

シリーズiGen、3人目はこの方。


iGen No.003 梅澤由(47[守]師範)

 

編集のためなら二徹も辞さない。インテレクチュアルかつ扇動的な語りで師範講義の新たなモデルを築き始めたエディトリアルジャズピアニスト。

 

生誕年:1992年
編集学校歴:
<学衆として>

41[守]劇凸ミルフィーユ教室(吉井優子師範代/猿子修司師範)

41[破]粘菌櫻座教室(宮川大輔師範代/大音美弥子師範)

13[離]逍応院(蜷川明男別当師範代/野嶋真帆 別番/小倉加奈子右筆)

32[花]くれない道場(齋藤成憲花伝師範)

 

<師範代・師範として>

45[守]糠床ザナドゥ教室(池澤祐子師範)

45[破]語りなザナドゥ教室(北原ひでお師範)

47[守]師範

 

Q1.密かにこだわっているフェチな雑品は?
知人にもらったサーモマグ。私の憧れる紅の豚が描かれている。仕事場に持ち込んで以来毎日使っており、極限の長時間残業をともに生き抜いてきた相棒。蓋を無くし取っ手がガタガタでもまだ現役なところがポルコの愛機サボイアっぽい。

Q2.家から最寄り駅の間でなぜかどうしても気になっちゃうことは?
駅前のベンチ。就活生、犬の散歩をするおばちゃん、パチンコで負けてうなだれているおっちゃんなど必ず誰か座っていて、みんな自な表情でいる。そして高確率で誰かが酒を食らっている。ほんと自である。


Q3.『情報の歴史21』で自分の生誕年以降の歴象で一番注目しているものは?
1997年「バイオアート」。歌詞を変換した塩基配列で初音ミクの心臓を作る展示などがある芸術ジャンル。CRISPRが躍進しゲノムのバイオコーディングが拡張する近未来では、アートが提示する培養肉も全身義体も夢ではない。

Q4.編集学校でこれまでに誰かに言われて印象に残った一言は?
「あの枕が妖怪を呼んできたんや」妖怪のプランニング編集でグランプリを取ったアフ感にて大音師範より。論理偏重な私が初めて霊感で編集したのが物語の枕のシーン。言葉を超えた速度で現出する意味や観念の編集とは何かを悟った。

Q5.編集学校で新しい講座やプロジェクトを立ち上げるなら?
文字以外の要素も含めた表象編集講座。楽曲、雑誌、イラスト、動画撮影、講演会などを作る(演る)編集稽古が待ち受ける。これだけ充実の編集が渦巻くISISには、そろそろ充満する編集エネルギーの方法的出口が必要だ。


 

■iGen光由をもっと知るなら

【速報!】十三[離]典離発表 第72回感門之盟 /上杉公志

47[守]師範に贈られた唯一無二の書と筒?!【77感門】/エディスト編集部

君は「炭男」になれるか 47[破]出世魚教室名発表【77感門】/梅澤奈央

 

 

■シリーズiGen〜イシスをDAN ZENにする7名〜 

 

001:穂積晴明 外郎売りからDJまで 多芸多才のデザイナー

002:中村麻人 数理モデルを脇差に 解析フェチの編集侍 

003:梅澤光由 全身義体を夢見る エディトリアルジャズピアニスト

004:網口渓太 関西弁のミク太郎 憧れ力で起動する編集少年

005:梅澤奈央 獲物はイジって逃さない 言葉フェチの人気記者

006:加藤めぐみ AI疑惑の超絶アーチスト 謎めく21世紀の女

007:上杉公志 ピアノ奏でる エディストの貴公子

 

 

 

iGenロゴデザイン:穂積晴明

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。