ISIS 20周年師範代リレー[第20期 松永真由美 編集を重ねる“感”チェロ奏者]

2021/07/07(水)09:35
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2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、2020年6月に20周年を迎えた。第45期の師範代までを、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。

◇◇◇

20期がスタートした2008年秋、新しい大統領誕生のニュースが世界をかけめぐった。アメリカで施行された大統領選挙で、バラク・オバマ候補がジョン・マケイン候補に圧勝し、第44代アメリカ合衆国大統領に当選。11月4日の出来事だった。翌2009年の1月には就任式が行われ、初めてのアフリカ系アメリカ人、ハワイ生まれの大統領誕生に、日本のメディアも大きく報道した時期である。

 

このオバマ大統領の登場に明るい兆しを感じたという松永真由美師範代。2003 年、7期で守破を受講後、そのまま3[離]へすすんだ。子育て、仕事、チェロ奏者としての多忙を押して、満を持して師範代に挑戦したのが20期、入門から5年後のことだった。その後も、24[守]、46[守]で過去3回の[守]師範代経験を持つ。情に厚く、時には涙も見せ、感が際立つチャーミングな姿が、いつも一途の師範代を表しているかのようだ。

 

松永師範代は九州支所・九天玄氣組のメンバーでもある。チェロ奏者としての横顔、松永クロニクルは九天組長インタビューを参照されたい。

 

2015年には、当時はじまったばかりの第2回ISISフェスタで、1日限りの子ども編集学校のひとコマを担当したこともある。チェロを弾きながら、音楽を奏でる時の見立てや分節化を子供たちとおもしろ楽しくセッションした。マーラー「巨人」は「むすんでひらいて」と一緒とわかる、これが型の力。白鳥が水面を渡るように…と教えられると弾けた!これが見立ての力。音楽と編集をついつい重ねるクセがおありとのこと、これからも編集のリズムを奏でていくことだろう。

◎師範代メッセージ◎


 

>あのときメッセージ>

12年前の当時も、リーマンショックによる不況で、派遣切りなどがあり、炊出しがニュースになっていました。オバマ大統領の登場には、救われた気持ちになったものです。運営ラウンジで声の掛け合いのある、師範代同士の連携が強かった20期でした。

 

>これからメッセージ>

閉塞感と同調圧力の強まっている今こそ、編集学校とは一番遠くにいる固まってしまっている人に、編集学校の方法を手渡していただけたら、と思います。

 

みさきカザルス教室 松永 真由美

 


 

●あの日!あの時!千夜千冊!●

〇“世界もわれわれも、非連続の連続だ”

1267夜:中村昇『ホワイトヘッドの哲学』

…2008年11月07日

◎原題は『スーパーキャピタリズム』(超資本主義)

1275夜:『暴走する資本主義』ロバート・B・ライシュ

... 2008年12月24日

⦿“この「能」を、この「歌」を、誰かがもっともっと実感すべきなのである”

1283夜:小林達雄『縄文人の文化力』

... 2009年02月03日

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  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。