ISIS 20周年師範代リレー[第16期 大武美和子 暖簾の奥からのぞくウィットあふれる女将]

2021/04/23(金)14:19
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2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、6月に20周年を迎えた。第45期の師範代までを、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。

◇◇◇

 

東京都心部で、観測史上最も遅い初雪が観測された2007年3月に16守はスタートしました。このころ、世界ではゴア前米副大統領の講演活動を記録した映画「不都合な真実」がヒット。日本でも1月から公開されて反響を呼びました。また、16守がクローズした直後の8月には、74年ぶりに日本最高気温が更新されました。埼玉県熊谷市・岐阜県多治見市では、最高気温が40.9度に上昇。この年、アル・ゴア氏と「気候変動に関する政府間パネル(ipcc)」がノーベル平和賞を受賞し、地球温暖化問題と人類の活動との因果関係への認知が世界へ広がった年でもありました。

 

編集学校は創設から6年目の春。熱い編集が起こり続けている時期でした。そのひとつに、今では春・秋の年2回開講が当たり前ですが、そのリズムがはじまったのが、ちょうど16守、17守の時でした。大武師範代が登板した3月開始の16守を追いかけるように、1か月後の4月にも17守がスタート。社会の息づかいと合わせようと、およそ10教室ずつに集った皆が気持ちをひとつにして走り抜けたのでした。

教室での大武師範代は、暖簾の向こうにいるようなおかみっぽさが、当時から印象的でした。しかけてとばすような応答で、教室をリズミカルに動かす。キリッと小気味よいコメントがあふれ、ウィットのあるイシスのおかみ。いまや、コースを横断的にみる大武美和子輪匠。はたまた、風韻講座では大武連雀。華麗に着物を着換えつづけて、イシス編集学校の文化にとって得難い存在になっています。

 

◎師範代メッセージ◎


 

>あのときメッセージ>

食品偽装発覚でコンプライアンス社会にぐいぐい舵がきられる中、16[守]は編集の空へ片翼で飛び立った。一ヶ月半ずれながら並走した16[守]・17[守]は、冨澤守学匠をして「あの時は大変だった」と何度も言わしめたが、それでもいつでも「一緒の守」。初々しくて熱かった。

 

>これからメッセージ>

イシスの青春期ど真ん中の16[守]から未来本来NEXTイシスへ。100 [守]になっても心意気はティーンエイジャーたれ!

 

楽屋薬玉教室 大武美和子


 

●あの日!あの時!千夜千冊!●

〇“地球が46億年前に誕生したとき、生命らしきものはこれっぽっちもいなかった。”

1177夜:瀬名秀明・太田成男『ミトコンドリアと生きる』

... 2007年03月14日

◎ペトロスキーは「仮説」に注目をする。アブダクションをする。では編集工学とは?

1186夜:ヘンリー・ペトロスキー『本棚の歴史』 

... 2007年05月24日

⦿枕草子と俳句の国の文化。日本人はなぜ「小さきもの」が好きなのか。

1188夜:李御寧(イー・オリョン)「縮み」志向の日本人

... 2007年06月06日

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  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

  • ISIS co-mission (イシス編集学校アドバイザリー・ボード)

    イシス・コミッション DO-SAY 2025年6月

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。