この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

多読アレゴリア2025・夏の募集がスタート!!!!!
エディストでは今日からアレゴリア・ウィークのスタートです。しばらくの間、アレゴリアの各クラブの宣伝合戦繰り広げられます。どうぞお楽しみに。
さて前回、2025・春では森山智子さんの「着物コンパ倶楽部」、小倉加奈子さんの「MEditLab for ISIS」がNEWクラブとして立ち上がりましたが、2025・夏も新しいクラブが誕生します。
一つはISIS co-missionであり、松岡正剛校長と共著もあり、盟友でもあった津田一郎さんを監修者に迎えたクラブ「カオス的編Rec」(カオステキヘンレキ)です。ISIS co-missionが監修するクラブはすでに、田中優子学長の「EDO風狂連」、今福龍太さんの「群島ククムイ」、それから武邑光裕さんの「OUTLYING CLUB」があるので、「カオス的編Rec」は4つ目のco-missionクラブということになります。
「サイエンスとエディティングの交差点にたちあう」。そして、「世界を問う仮説をつくる方法を学ぶ」。これがカオス的編Recのテーマです。最近、津田一郎さんは「もし『編集学校の数学』というものがあるとしたら、どんなものか」という問いを立て、数学によって編集学校の新たな可能性を見出すことができるかもしれないと話していました。
世界的な複雑系の研究者である津田一郎さんと共に「編集する」、そして「数学する」こんなチャンス、めったにありません。数学や科学が好きな人も、学生時代に挫折した人も、あらためて、編集を通してサイエンスと出会い直しをするのはいかがでしょうか。
もう一つのNEWクラブは、エディストで大活躍中の「倶楽部撮家」。いよいよアレゴリアに倶楽部撮家が登場します。
倶楽部撮家では編集工学を通じて、イメージと言葉のあいだを探ります。写真学校のように、単に写真を学ぶわけではありません。言葉からイメージを起こし写真を撮ることもあれば、写真から言葉を立ち上げて遊ぶこともある。そして、クラブで撮影した写真はエディストなどメディアにどんどん掲載していきます。倶楽部撮家の活動を積極的に発信し、表象力のある撮家集団を目指します。
実は松岡校長も、「芸術で一番好きなのは写真」と言い張るほどに、とっても写真が好きでした。杉本博司、内藤正敏、奈良原一高、藤原新也、十文字美信、横須賀功光。これら名だたる写真家たちと松岡校長が親しく仕事をしてきたことからも、そのことがよくわかります。
テキストベースの編集学校ではこれまで写真や映像、イメージを使って編集稽古をする機会があまりありませんでしたが、「写真」というメディアに関わることはまちがいなく、きわめて編集的な行為です。倶楽部撮家で活動することで、隠れた編集的可能性に気がつくチャンスが得られるかもしれません。
クラブの申し込みは先着順です。すでにご希望のクラブがある方は、なる早で申し込みましょう!
*多読アレゴリア2024春から継続の方は申し込み手続きは不要です。
Info 多読アレゴリア2025夏
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025summer
*多読アレゴリア2024春から継続の方は申し込み手続きは不要です。
【開講期間】2025年6月2日(月)~8月24日(日)
【申込締切】2025年5月26日(月)
【定員】490名(各クラブごとに定員が異なります。定員になり次第、締め切ります)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)
※ クレジット払いのみ
※ 初月度分のみ購入時決済
以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
例)2025夏申し込みの場合
購入時に2025年6月分を決済
2025年6月26日に2025年7月分、以後継続
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
「脱編集」という方法 宇川直宏”番神”【ISIS co-missionハイライト】
2025年3月20日、ISIS co-missionミーティングが開催された。ISIS co-mission(2024年4月設立)はイシス編集学校のアドバイザリーボードであり、メンバーは田中優子学長(法政大学名誉教授、江 […]
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佐藤優,登壇決定!!!! 7/6公開講座◆イシス編集学校[守]特別講義
イシス編集学校の基本コース[守]特別講義に、元外務省主任分析官・作家の佐藤優さんが登壇する(講義は、誰でも参加可能な公開講義の形式で開催!)。 講義タイトルは佐藤さん自らが「編集工学2.0と歴史的現実──正剛イズムを […]
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。