この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!見逃してほしくないアノ記事コノ記事。エディスト編集部メンバー&ゲスト選者たちが厳選し、注目の”推しキジ” をお届けしています。
今回は、2025年3月に公開された記事の中から選ばれたオシ記事9選をご紹介します。
2000年の開校以来、生まれた教室名は1000以上。どれひとつ同じ教室名はない。これほど多様な教室名のある学校が他にあるだろうか。 3月15日に行われた第86回感門之盟の冠界式、5月に開講する第55期[守]基本コースに登板する新師範代18名の教室名が発表された。18名のなかにはあの田中優子師範代の姿も。緊張した面持ちで舞台に立つ新師範代たちの胸の鼓動を想像しながら、生まれたてほやほやの教室名をご覧あれ!
田中優子学長は、「著書や講演でイシス編集学校を語ることが自分の役目」と常々話してました。しかし、[花伝所]に進み、やってみたくなっちゃったと師範代登板を決意!そして、師範代として教室名をもらった時の弾けた表情がなんともチャームで記憶に焼き付いています。ただ今、55[守]開講用意中の優子師範代。学衆の回答に指南をすることが今から楽しみでワクワクしていると言葉にしながら準備しています。55[守]師範代の興奮が伝わる3月の推しキジです。いざ、55[守]の出遊の旅へ。─鈴木 康代 -> 記事全文を読む
3月の大事件といえば、学長田中優子の師範代登板でしょう。55[守]新教室名発表の一幕、「生涯で一番緊張しています」と白状し、教室名を拝命した田中優子師範代。壇上から降りてきた優子師範代と目があうと、ホッとしたようににっこり。そのチャームたっぷりの表情が忘れられないワンシーンとして心に刻まれました。さて、気になる教室名は?記事でチェックしてみてくださいね。 ─後藤 由加里 -> 記事全文を読む
ー 応援ファンファーレでPick!
第85回感門之盟(2025年3月9日@京都モダンテラス)が終了した。これまでに公開された関連記事の総覧をお送りする。-> 記事全文を読む
第86回感門之盟「EDIT SPIRAL」(2025年3月15日)が終了した。これまでに公開された関連記事の総覧をお送りする。-> 記事全文を読む
第87回感門之盟「感話集」(2025年3月29日)が終了した。これまでに公開された関連記事の総覧をお送りする。-> 記事全文を読む
4編集かあさん’s 推しキジ!
─ 「師範の眼差しを広めたい」でPick!
53[守]イメージ・ダーニング教室から出世魚して53[破]イメージ・チューナー教室師範代として指南を全うした土田実季さんをフォーカスした記事です。北條玲子師範が、変身のプロセスを、普段の稽古風景に、汁講や感門之盟などの特別なシーンを織り交ぜながら描き出しています。
変化は関係の中で起こります。学衆に師範代がいるだけではなく、師範代に師範という「見る」人がいるというイシス編集学校のとびきりの仕組みが柔らかく暗示されています。学校現場の難しさが報道される今、このモデルをもっと表に出し、社会の中に広めていきたいと考えています。── 編集かあさん・松井路代 -> 記事全文を読む
5チーム渦:角山’s 推しキジ!
─ 「かさね」でPick!Pick!
2025年3月15日、桃や梅が春の到来を告げる季節。第86回感門之盟「EDIT SPIRAL」の会場である本楼のあちこちで、さまざまな絵柄のかるたが咲き乱れている。このかるたは、イシス編集学校で学ぶ方法の「型」を48枚に込めた、方法の花々である。
少し脱線して「記事の裏側」を語りたい。54[守]で「いろは型かるた」を作りあげた、という事件は記事に詳しいが、これを書いたのがJUST記者の上杉公志記者というところに意義がある。今回は感門之盟の前に、守・花のエディスト番とJUSTチームとで事前にミーティングを実施。互いの意図を交換しあったのだ。交わし合いからは、エディスト記事と守別院を結んで盛り立てる「リンクマン」というロールが生まれ、相部礼子師範が本楼とパソコンの向こうを繋げた。記事は、54[守]の稽古模様、感門の準備の様子、松岡校長のエピソードまで、人を重ね、思いを重ね、出来事を重ね……。ここには、十二単のごとき「かさね」の技があった。――角山 祥道 -> 記事全文を読む
6吉村編集長’s 推しキジ!
─ 「師範の眼差しを広めたい」でPick!
萌えよ!ヴィジュアル・アナロジー 53[破]五十三次道連れアート展レポート
自分史をビジュアル化し、一枚のグラフィック・アートにする――クロニクル編集術の「全然アートなわたし」は、突破要件に入らぬ番外稽古ながら、[破]の講座で学んだ方法を味わい尽くせる格別なお題だ。感門之盟を一週間後に控えた3月1日、このお題に回答した53[破]の学衆と講評を担当する指導陣、そして旅めくワールドモデルに誘われた道づれチャット衆の総勢24名が、オンラインの画面上で一同に会した。
自分史をグラフィックにする。[破]のクロニクル編集術では、自分史と一冊の本から歴象を取り出し、それを一つの年表にした後に、さらに3つのトラックに分類し直す。自分の歴史ですら、読みかえ可能であって、編集可能であることを体得できる編集術だが、それがさらにグラフィックに仕立て直すとなると、そこに新たな見立てが入ることになる。それぞれのヴィジュアルクロニクルが一堂に会して、師範による寸評ZOOMセッションの番外稽古。贅沢な仕立てである。記事はセッションと寸評を混ぜたかたちになっているが、それぞれのクロニクル物語にも踏み込んで読んでみたい気になる。── 吉村 堅樹 -> 記事全文を読む
7八田律師’s 推しキジ!
─ 気になる特別講義でPick!
編集工学2.0×生成AIで「別様の可能性」に向かうー―イシス編集学校第54期[守]特別講義●宇川直宏の編集宣言レポート
各界の著名人による特別講義。現“在”美術家でDOMMUNE主宰の宇川直宏さんによる編集工学2.0講義のレポートです。ヘンリー・ダーガー(1892-1973)のグロテスクでファンタジックな作品や、2024年に動画生成AIで作られたMVなども紹介しながら、現在美術のクロニクルを辿れる贅沢なレポートです。生成AIとどう関係していけばいいのか。拒絶するのでもなく、全部受け入れるのでもなく、エディットしていくための問いが生まれます。 ── 八田 英子 -> 記事全文を読む
8金 副編集長’s 推しキジ!もうひとつ!!!!
─ タイトルネーミング でPick!
【ほんのれんラジオ:恋愛6】ディカプリオが金髪水着モデルばかりを選ぶ理由?スウェーデン発のコミックエッセイ『21世紀の恋愛』を読んで、資本主義社会で恋愛が難しくなった理由を考えた
ほんのれんラジオの最新エピソードが公開されました! イシス編集学校で世界読書奥義伝[離]まで了えた4名(ニレヨーコ、おじー、はるにゃ、ウメコ)がお送りするほんのれんラジオ。 ほんのれん vol.23の問いは、「これって恋愛? 〜この世界を動かす欲望〜」です。
「ディカプリオが…」はエディスト史上、最大級に週刊誌的なネーミングではないかと思う。エディストにはこういう攻めたタイトルがあまりない。ほんのれんには、これからもガンガンいってもらいたい。とはいえ、記事を書くときに「ディカプリオ」「金髪水着モデル」のようなキラーワードを使えるケースはなかなかない。そういうときに「面白い」を狙いすぎると、わけのわからないタイトルになってしまう。「面白い」から「伝わる」に切り替えた方がいいこともある。その点では「87感門」は何を伝えたいのかがよく伝わってきた。短いタイトルに5WHが敷き詰めてある。── 金 宗代 -> 記事全文を読む
9康代学匠’s 推しキジ!もうひとつ!!!!
─ 裏推しキジ、”矛盾から始まる春” でPick!
【多読アレゴリア:身体多面体茶論】 日暮里の土耳古でベリーダンスを食す!(イベントレポート編)
[多読アレゴリア]のネーミングは、なんともユニークなものばかりで、名前を見ながら何が行われているのか遊刊エディストの記事から想像しています。
今回は、身体多面体茶論の怪しく矛盾を綴ったレポートに注目!
身体と資本主義、ゆっくり語りたいけど落ち着かない、食べたいけど踊りたい、感門之盟前だけど行きたい、という葛藤を抱えながらも固定化され疲弊した社会に杭を打つ決意も感じられ、次のシーズンにも期待したくなるレポートでした。─鈴木 康代 -> 記事全文を読む
以上、2025年3月の記事から、エディスト編集部の”イチオシ” を厳選してお届けしました。みなさんのオシは、見つかりましたか?
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エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。