この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

2024年に始まった多読アレゴリアは怒濤の冬シーズンを終え、芽吹きの春シーズンへ。
『多読アレゴリアTV』は松岡正剛から「支度天」の名を戴いたダンドリ仕掛け人武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめます。
1か月に1冊も「本を読まない」とした人が6割を超えたことが、文化庁が公表した2023度の「国語に関する世論調査」でわかった。スマートフォンやSNSの利用に押され『読書離れ』が加速する中、2024冬にスタートした多読アレゴリア。11週間でNo Tadoku, No Life.となった人も多い。多読といっても本を沢山読むだけにとどまらない。リズムを読む、時代を読む、季節や風を読む。雑多で多様な「読む」にまみれ、2025春の新シーズンがいよいよ開幕する。
2025春、最初の放送は前シーズンの振り返りから。
▼「怒濤の2024冬から芽吹きの2025春へ」
武田 一倉さん、初シーズン終わりに近づいてますねぇ。
一倉 あっという間の3ヶ月でした。そうそう、武田さん、こっそり入った大人気クラブ「EDO風狂連」いかがでした?満員御礼で次シーズンは募集なしですよ。
武田 楽しいですもん。「EDO風狂連」では稽古の三本柱があり、多読共読に励む場として「読相錬磨(どくそうれんま)」、新しいメディエーションに挑む「遊山表象(ゆさんひょうしょう)」江戸で流行した連句を巻いていく「書屋俳諧(しょおくはいかい)」があるんです。
一倉 あ、もしかして2月16日に行われたリアルイベントは、「遊山表象」ですか。
武田 そうそう、ISIS FESTA「江戸・蔦重の編集力」のことですね。イシス編集学校の学長でもある田中優子氏はEDO風狂連の「宗風」として、本楼にて直々に、僕たちと対話してくれました。ふわ~っと江戸の風が巻きおこりましたよ。
一倉 いいなぁ、連句も楽しそうですしねぇ~。
武田 そっか、一倉さん俳句するもんね。稽古をしていると、過ぎた時代としての「江戸」というより、今ここにある「江戸」を感じる。そんなクラブなんです。ところで、一倉さんもクラブ運営してたよね。
一倉 はい、身体多面体茶論です。今期はイベントを精力的に行いました。身体編集のはじまりとしてピラティスをしたんです。そのあと、汁講(オフ会)もして、身体編集について2,3時間語り尽くしました。詳しくは「【多読アレゴリア:身体多面体茶論】地に足つけてスッピンでいこう!(イベントレポート編)」
武田 えぇ、ピラティス~?意外なところから始めたねぇ。そういえば、知ってました?次のシーズンは「着物コンパ倶楽部」と「MEdit Lab for ISIS」というクラブが新規参入するんですよ。
一倉 えぇ、聞いてます。すっごく楽しみ。多読アレゴリアって、その名の通り多様で雑多!アレゴリア百貨店ですね♪
番組では、それぞれに怒濤の2024冬シーズン話に盛り上がった。
多読アレゴリアは、スタートしたばかりだが、既に各クラブごとに盛り上がっているようだ。
好きなことを好きなように。多彩に遊べるトポスへ!
世界を席巻する人類総アレゴリアン時代の幕開けと共にアレゴリアTVでは、江戸を感じ・身体に遊ぶ、武田と一倉がYouTube配信でお届けしていきます。
文:一倉広美
アイキャッチ画像:山内貴暉
多読アレゴリア2025春
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025haru
【開講期間】2025年3月3日(月)〜2025年5月25日(日)
【申込締切】2025年3月7日(金)
【定員】300名(各クラブごとに定員が異なります。定員になり次第、締め切
ります)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)
※ クレジット払いのみ
※ 初月度分のみ購入時決済
以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
例)2025春申し込みの場合
購入時に2025年3月分を決済
2025年3月26日に2025年4月分、以後継続
・2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
・1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、2クラブ目以降をお申し込みください
【2025春 多読アレゴリアWEEK】
▼着物コンパ倶楽部
▼MEditLab for ISIS
▼勝手にアカデミア
はとさぶ連衆は鎌倉に集い俳句を詠みつつアカデミア構想に巻き込まれるの巻
▼軽井沢別想フロンティア倶楽部
▼大河ばっか!
▼よみかき探Qクラブ
▼身体多面体茶論
▼終活読書★四門堂
▼OUTLYING CLUB
▼千夜千冊パラダイス
◎3/3(月)スタート◎シーズン2は《編集術の奥義》につながる千夜が登場!
▼群島ククムイ
▼音づれスコア
▼多読ジムClassic
▼アレゴリアTV
2025年春・多読アレゴリア、新シーズン開幕!
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。