この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

イシス編集学校25年目にして初! 感門之盟が東京から出遊する。53[破]は東海道53次になぞらえて、お江戸から京の都へせっせと歩き、京都岡崎にて第85回感門之盟・53[破]突破式を祝う。
なぜ京都なのか? 53[破]の師範代は、北海道から瀬戸内海の大崎上島まで各地に散在しており、京都に住んでいる大学生と大学院生もいるのだ。ならば、東京集合でなくてもよいのでは? 関西のイシスメンバーがいつも東京まで駆けつけてくれているのだから、たまには東京組が出向こうよ。なんといっても京都は校長が生まれ育ったところである。とこんな考えで京都開催を決めた。会場は、平安神宮近く、モダン建築のレストラン。天井が高く、自然光がたっぷり入る贅沢な空間に心が躍る。関西のイシスメンバーからなる「奇内花伝組」も続々、参加表明し、準備が加速している。
感門タイトルは、“Bridge Over the Bridge” とした。野嶋真帆評匠のデザインによるポスターをご覧あれ。(クリックして拡大してください)
日本橋から三条大橋へ、橋に込めた思いは「ここ」と「むこう」と同時につくること。
日本人は「橋」に格別な意義をもたせてきた。
そのことは三島由紀夫が絶賛した保田與重郎の『日本の橋』
にも如実だった。
一言でいえば日本の橋というものは
「ここ」と「むこう」を同時につくる典型的な境界線で、
神話的にいうのならどんな橋も“天の浮橋”なのだ。────『見立て日本』「柳橋図のルーツ」 松岡正剛
編集によって橋を渡る人に、橋を架ける人に…、そんなイシスの願いを互いに確かめ合う会にしたい。
まだ席がありますので、「そうだ、京都行こう!」とひらめいたなら、ぜひご参加ください。
2月末日までにお手続きをお願いいたします。
──────────────────────────────
第85回感門之盟・53[破]突破式in京都 奇内花伝組の先達とともに
──────────────────────────────
日時:3月9日(日)13:00~16:30(12:30受付開始)
会場:京都モダンテラス
https://store.tsite.jp/kyoto-okazaki/floor/shop/kyoto-modern-terrace/
会費:大人(高校生以上):¥10000、小中学生:¥5000、未就学児:無料、
立食形式で、食事・飲み物(アルコールも)の提供があります。
リニューアルした編工研SHOPからお申込みください。
————————————————————
▼お申込み・お支払いカート
第85回感門之盟(第53期[破])(開催地:京都)2025年3月9日(日)13:00-16:30
https://shop.eel.co.jp/products/es_kanmon85
————————————————————
※イシス編集学校受講経験者・その同伴者にかぎってご参加いただけます。
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
東京の大岡山エリアといえば、東京科学大学(旧・東京工業大学)のある学園都市。にもかかわず、なんと書店がなかったという。そこにできたのが青熊書店だ。 青熊書店は、2025年3月15日に、自由が丘から移転して、 […]
源内さんとハン・ガンが人気【54破】第1回アリスとテレス賞エントリー
「5W1H」という基本の基本ではじまった[破]の稽古。1か月後にはアワードに向けて文章を何度も推敲し、磨き上げるまでに熱を帯びる。本日5月11日、54[破]第1回アリスとテレス賞のエントリーが締め切られた。セイゴオ知文 […]
【54破開講】うどん、タトゥー、ちぐはぐ…カオスの縁から創発せよ!
春の講座の先陣を切って、本日4月14日正午に、54[破]が開講した。12:25に登校(投稿)した学衆をはじめ、すでに回答を3連投した学衆もいる。 10名の師範代は、この1か月、レクチャーを受け、資料映像を見 […]
【破 物語編集術体験ツアー 2/2開催】かぐや姫が求めたお宝は?
物語には、なんとも気になる不思議なツールが登場するものだ。そういうモノに、物語という方法がなぜ必要とされたのかを感じることがある。たとえば、かぐや姫が求婚者にもって来てほしいと願ったお宝に、「火鼠の皮衣(ひねずみのかわぎ […]
【53破】新課題本から編集的世界観にアクセスせよ!―第1回アリスとテレス賞エントリー
53[破]は開講から1か月。別院では東海道五十三次になぞらえて稽古の旅路を描いている。本日11月10日は、第1回アリスとテレス賞「セイゴオ知文術」のエントリー〆切日だった。東海道なら箱根の関所を通るようなものか。千夜千 […]
コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。