この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

2025年春開講の【多読アレゴリア】「着物コンパ倶楽部」のプレイベント第2段!
今度はイシス編集学校のとっておきの師範お二人をゲストにお招きして、男の襟のスキをこじ開けます。場所は本楼、リアルのみのご参加を募ります。
男の襟
女の着物は半襟がとても大事。だけどいったい男性は襟のことどう思っているんでしょう。
私が男の襟から連想するのは、学ラン詰襟のホックの外しだったり、オフィシャルでもインナーに白Tシャツを選ぶ流行だったり、そういえば男の着物では半襟ってそんなに存在感がない。
そこのところって?
たぶん何気なく聞いても「そんなのなんとなくだよ〜」とかいった返事が返ってくる可能性が大大大。そうじゃなくて感覚の微妙なところを(あわよくば、編集術と編集工学ともまぜまぜで)語ってくれそうな人に来ていただいたらいいかも!
それなら、お招きする場が必要!
それならいっそ、現在の襟事情だけでなく歴史からも紐解くようなトーク会を企画しなくては!
ということで、このお二人にお引き受けいただきました。
イシス編集学校 師範
中村麻人(なかむらあさと)さん
【iGen002】中村麻人 数理モデルを脇差に 解析フェチの編集侍
イシス編集学校 師範
梅澤光由(うめざわみつよし)さん
【iGen003】梅澤光由 全身義体を夢見る エディトリアルジャズピアニスト
お二人ともこれまでお話ししたことはほとんどないのですが、お二人の着物姿がふわっと思い出されてきたのがオファーのきっかけです。
中村麻人師範の着物姿は「詰め寄らない構築感」、梅澤光由師範の着物姿は「投げ遣りでない離脱感」。
平安時代、明治時代にふわりと飛びつつ、男の襟に潜む「スキ」をこじ開けるうちに、そんなお二人のカタチを形作る奥の何かも垣間見れるかもしれません。
【内容】
・「男の襟」部分と全体、超部分の威力について
・「くずし」の「ほど」について
・平安男子の衣服事情
公服と私服が生まれる(衣服令)
漢服と胡服が由来(馬との関係)
勤務形態と服の関係(男は通い、女は住込み)
公家のくずしの方法(ズボンの幅が倍に)
武士のスタイルの誕生(襟を折る)
・貴種流離譚と「やつし」
・明治男子の衣服事情
幕末時点の庶民の衣服事情
洋装アイテムとの出会い(鎖国時代)
洋装化のトップダウン(服制更改の勅諭)
勤め人と自営業、外と内(和洋マトリックス)
勉学期の男という存在(書生スタイル)
・コードのモード化と「もどき」
・男のカジュアル着物(偶然→まにあわせ→必然)
・男のフォーマル着物(型に潜む意味)
ほか
◉イベントなどで着物を着たいと思っている方
◉何からはじめたらいいのかわからなくて立ち止まっている方
◉普段はファッションには興味はないけど、着物ってちょっと気になる方
◉日本の古代や明治時代のことに興味がある方
2025年2月4日(火)の夜、編集工学研究所の本楼でご一緒しましょう。
みなさまのご参加をお待ちしております。
多読アレゴリア*新クラブ
「着物コンパ倶楽部」プレイベント 第2段
【トーク会@本楼】男の襟と同伴
■日時:2025年2月4日(火)19:30-21:30(開場は18:30)
■会場:編集工学研究所 1階 本楼
東京都世田谷区赤堤2丁目15番3号
■アクセス
小田急線・豪徳寺駅より徒歩7分
東急世田谷線・山下駅より徒歩7分
■対象:どなたでもご参加いただけます
■定員:40名
*リアルのみの開催です
■費用:3,000円(税込)
*当日現金にてお支払いください
■ゲスト
中村麻人(イシス編集学校師範)
梅澤光由(イシス編集学校師範)
■ナビゲーター
森山智子(着物コンパ倶楽部部長/イシス編集学校師範)
■お申込みはこちら →【イベント終了】
(文)森山智子
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2025/01/29(水)19:00
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2025-06-10
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建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。