この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

好評につき、多読アレゴリアの申込受付を12月1日(日)まで延長しました。なお、どのクラブも定員に届き次第募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望のクラブに絶対入りたいという方はお早めの申込をオススメします!!!!!
なぜ、身体を考える上で進化、美食、資本主義の三軸なのか?
X軸=進化 ・・・生きものとしての身体を知るという視点
中村桂子著『生命誌とは何か』講談社学術文庫
ここでは身体を「進化」の視点から考えていきます。
『生命誌とは何か』では、
・霊長類の中で、ヒトが他の仲間と違う存在になってきた過程はどのようなものか
・脳が生命の歴史の中で、いつ頃どんな風にできてきたのか
これは生物としてのヒトがどうやって今に至るのかという問いですね!
「身体」という視点で見れば、ヒトはまずもって脊椎動物です。
人間の脊柱は、頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨からなり、首と腰がよく動くようになっています。この形の始まりは魚類で・・・、と続きは省略しますが、例えば、進化を「地」にするとヒトは脊椎動物のモデルの一つであり、餌をとるを「地」にするとエラから顎への変化があり、分子系統樹を「地」にすると450万年ほど前にヒトはチンパンジーと分かれ、ヒト化への道の始まりは直立二足歩行という身体の変化でもあります。
「身体」に対し「地」を変えて問いを立てることは、未知にきづき、「身体」を多面的にとらえることにつながり、新たな編集に遊ぶキッカケになります。
ですが、ここで体験した個々の「多面的な身体観」を共読し、交わし合いを進めれば・・・、それがまた新たな問いを生み、身体の編集が加速する、というわけです。
◆身体多面体的ネオバロック 其の1
身体多面体茶論では共読からの交わし合いを重視、いや必須とします。不足は大歓迎、睡眠不足ももちろんOKです。問いから未知を見つけて身体の既知をどんどん増やしていきましょう。茶論一同も参戦します!
「身体」を多面的に読み解くために、お題による多読や共読、そして交わし合い、また、エクササイズによる実体験を用意しています。
・ミニお題1
進化という地で身体情報を「わけて/あつめて」、進化身体の見方を広げる。
・ミニお題2
進化という地で身体情報を「つなぎ/かさね」、進化身体情報の関係づける。
「しくみ/みたてる」、進化身体情報の構造化を行う。
・イベント1
機能解剖学とピラティスのワークショップ:
身体内部にじっくり「注意のカーソル」をあてる。
・メインお題1[身体編集的進化論] 「卒業制作」に向けた中間チェック(1)
進化という地で身体情報を「きめる/つたえる」、身体情報を表現する。
例)進化身体のクロニクルを図解する。
◆身体多面体的ネオバロック 其の2
身体多面体茶論では「身体観」を重視します。観には感、勘、幹、など多くのカンが含まれますが、シーズン毎に様々な実践的ワークショップを体験し、「身体観」の未知にきづくこと、様々なカンの変化を楽しむこと、そして言語化して共読することを必須とします。
ちなみに今シーズンで取り上げるピラティスには、いかなる変化が期待できるのか。ピラティスをこよなく愛するT氏によれば、
・O脚をかなり修正できた。
・修正できたことで、脚の形状を気にせず堂々と短パンで外を歩くようになった。
・短パンが選択肢に加わったことで、オシャレの幅が広がった。
などなど。
O脚は変化のほんの一部、身体の自由度が上がっていくのがその特徴の一つであるといいます。それってどういうことなんでしょう?、楽しみですね。
いざ「身体」の未知へ、みなさんと一緒に未知から既知へ、そして新たな編集へ、茶論一同、どんな「身体観」に出会えるのか楽しみにしてます。
多読アレゴリア「身体多面体茶論」
【定員】20名
【開講日】2024年12月2日(月)
【申込締切日】2024年12月1日(日)
【受講費】月額11,000円(税込)
*2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、
2クラブ目以降をお申し込みください。
【開催期間】2024冬 2024年12月2日(月)~2025年2月23日(日)以後順次決定
お申し込みはこちらから
https://shop.eel.co.jp/products/detail/765
文:身体多面体茶論一同
アイキャッチ画像:身体多面体茶論×山内貴暉
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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2025-06-10
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2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。