倍率4.5倍!21世紀生まれの学衆現る 45[守]近大

2020/04/27(月)10:02
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 コロナの春、オンラインで大学の門をくぐったのは21世紀生まれの18歳だった。前代未聞を背負う学生たちは、イシス編集学校にも押し寄せる。

 4月某日、学林局では緊急会議が開かれていた。近畿大学の学生受講が始まって4期目となる45[守]。過去最高となる183名の応募があったのだ。定員は40名。選抜には、論述課題が課せられることに決定。視聴課題は松岡正剛校長が出演した「オデッサの階段」。

 

 合格者たちは、4月20日開講当日、Zoom会場に集結した。橋本英人参丞が発破をかける。
「合目的的な学びを超え、未知との出会いを目指してほしい」

 

 

 激戦をくぐり抜けた彼らは、それを目指すだけの基礎体力をすでに備えているからだ。自分をお菓子に見立てての自己紹介では、全員が即座にチャット応答。
「ねばねばのみたらし団子」

「直進するパチパチ飴」
「すぐ溶けるカカオ75%チョコレート」

 

 3人の近大番(川野貴志師範・山根尚子師範・梅澤奈央師範代)は、指南を忘れ、賞賛という名の飴ちゃんをばら撒く。

 川野は太鼓判を押す。

「イシスで学ぶのは、40〜50代が多い。10代、20代の近大生諸君が、大人たちの度肝を抜くことは間違いない」。

 

 

 かつて近大はこう宣言した。「固定概念を、ぶっ壊す」。

 40名の選ばれし若者は、イシスの新しい歴史を作ろうとしている。

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。