この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

第84回感門之盟Day 2、教室名発表の場として感門之盟で最も盛り上がるプログラムのひとつ「冠界式」において、2024年10月開講の第54期[守]基本コースに登板する20名の師範代たちの教室名が発表された。師範代自身が提出する5つの教室名案と好きな千夜千冊3冊から、松岡校長が丸1日かけて考えてきた教室名を、今期からは学匠と学林局が一週間かけて考えた。林朝恵花目付の進行のもと、発表された唯一無二の教室名を見ていこう。
◆儀三武桐子 師範代
お伽まばたき教室
◆木村昇平 師範代
うごめきDOHATSU教室
◆福地恵理 師範代
ウルフル弘法教室
◆松林昌平 師範代
遊狂RNA教室
◆美濃万里子 師範代
なのはなドロシー教室
◆関博一 師範代
サルサしかかり教室
◆長谷川絵里香 師範代
センス歩く教室
◆村上直也 師範代
生成りなのに教室
◆小湊倫子 師範代
チリモンどんたく教室
◆藤井宏行 師範代
展色ヴィンテージ教室
◆梁島綾乃 師範代
やぶこぎ博物教室
◆松田秀作 師範代
たまむしメガネ連教室
◆小林美穂 師範代
モウソウ縁子さん教室
◆上原正行 師範代
中ゴシABC教室
◆細井あや 師範代
カタコト黄表紙教室
◆竹内哲也 師範代
アゴーン・ブラザーズ教室
◆辻和子 師範代
つくつく少納言教室
◆北川周哉 師範代
ちぐはぐ夕顔教室
◆登田信枝 師範代
半解マイカ教室
◆榎田智子 師範代
半音タトゥー教室
◆ ◇ ◆
新たな教室名をドラムのリズムで表現し、発表の場を盛り上げる浅羽登志也師範。
記念すべき1000番目の教室名となったのは、村上直也師範代の「生成りなのに教室」。
54[守]師範代を代表し、うごめきDOHATSU教室の木村昇平師範代は、入伝式の最後に校長にもらった「頼んだよ」の言葉を編集エンジンとして、54[守]で共に格別のヴァージョンを生み出していきましょうと力強く挨拶をした。
ビジュアルデザイン:穂積晴明
◇ ◆ ◇
■基本コース 54期[守] でお待ちしています!
・申込締切:2024年10月13日(日)
・入門日 :2024年10月14日(月)
・稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
お申し込みはこちらから
米田奈穂
編集的先達:穂村弘。滋賀県長浜出身で、伝統芸能を愛する大学図書館司書。教室名の「あやつり近江」は文楽と郷土からとられた。ワークショップの構成力に持ち前の論理構築力を発揮する。
花伝所で2期以上指導陣をつとめた者に贈られるのが花伝選書である。今期は、花伝道場の宝刀である5名の花伝師範と4名の錬成師範、花伝所を統括し束ねる花目付、式目を更新し続ける花傳式部に贈られた。 ◆花傳式部 […]
41[花]放伝式 たくさんの花を引き継いで――花伝扇・玄々書授与【84感門】
花伝扇は初めて花伝所の錬成師範・師範をつとめた者に対し、松岡校長が贈ってきた扇である。これまで126通りの「花伝」の書が、松岡校長によって扇に書かれてきた。今後はこのたくさんの「花」と「伝」の文字を組合せ、扇を渡してい […]
それぞれのキャラクターを際立たせて――師範頌授与【84感門】
師範・番匠・評匠・遊筆・学匠を2期以上務めた者たちに贈られる「師範頌」(しはんしょう)は、感門之盟ごとにさまざまなグッズが編集されてきた。今回は番期同門祭のメイン・ヴィジュアルである熊手に飾られたアイテムを切り出し、師 […]
らしさを書にうつし、師範・番匠を寿ぐ――52[破]玄々書【84感門】
52[破]突破式では、初めて破の師範、番匠のロールをつとめた4名へ、「玄々書(げんげんしょ)」が贈られた。松岡校長の書を使いつつ、穂積晴明方源がそれぞれの師範、番匠の「らしさ」を軸にデザインを施した趣のある書となってい […]
師範代のモチベーションも支える先達文庫――52[破]先達文庫授与【84感門】
たくさんの私を発揮しながら、この期を全力で走り抜けた師範代ひとりひとりに贈られる本が先達文庫だ。Day1の卒門式では、1冊の本が守の師範代に贈られたが、破の師範代には2冊の本が贈られる。学匠と学林局が相談し、それぞれの […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。