大武&矢萩の司会コンビナトリア。大感門司会リレー【第84回感門之盟】

2024/09/14(土)19:45
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第84回感門之盟「番期同門祭」の司会はリレー方式。スタートを切った丸山&久野ペアからバトンを受け取ったのは、大武美和子・矢萩邦彦のふたりだ。ネットで初音ミクが生まれ、日本で「ソンナノカンケーネー」が流行り、海の向こうではオバマ大統領が「Yes, we can!」と叫んでいた2005年~2009年、創成期からあらたなフェーズに突入したイシス編集学校を牽引したレジェンドだ。松岡正剛校長は『多読術』を出版し、いまだかつてない書店「松丸本舗」を創っていたころである。

 

15年前、松岡校長から日本初の称号「アルスコンビネーター」を与えられたという矢萩邦彦。アルスはアートの語源となっている言葉で「方法」のこと。アルスコンビナトリアとは方法の結合術をいい、校長が創り上げた編集工学の核心でもある。「パラレルキャリアで生きてきましたが、当時はまだ社会には受け入れられませんでした。松岡校長に僕の活動に肩書きを考えていただき、いまもそれを背負って、プレッシャーを感じながらも探究と実践を続けています」

 

16[守]ではじめて師範代登板したときの感門之盟で着た着物と、4[離]退院式で締めた帯で壇上にあがった大武美和子。「古いものでも組み合わせることで、いまここの物語がつくれるんです」と結合の妙を語る大武は、矢萩の称号「アルスコンビネーター」を奪わんばかりの装いだ。

実は大武は、矢萩が[破]学衆だった教室の師範代でもある。

 

「(矢萩さんが)ペーペーの学衆時代をよーく存じ上げています」(大武)

「圧編集ですね!笑」(矢萩)

 

10年以上の時を経てもなお、かつての師範代・学衆の関係がつい滲み出てしまうのは、必死に編集稽古をした教室に愛着があるからこそ。イシスらしい光景が舞台をちらちらとするなか、ふたりの司会コンビナトリアがはじまった。

  • 福井千裕

    編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。