この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

本をきっかけに、問いを深める。ゆるくカジュアルに、世界知と遊ぶ。
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2024年7月のテーマは「なぜ旅をするのか」です。夏になると、なぜか遠くへ行きたくなる。でもそれってどうして? このネット時代、旅がもつ意味とは? 人類はずっと旅してきた?! 「旅」の語源を調べてみると、3万年前から旅をしつづけてきた人類の意外な姿が見えてきました。
宇宙への旅から、ムー×地球の歩き方、カレー移民の旅、そして3万年まえの船旅まで、ほんのれん編集部が、本を片手に「人類の旅」にご案内。
出演:ほんのれん編集部 ニレヨーコ、はるにゃ、おじー、ウメ子
▼エピソード
夏だ!旅だ!/人はどうして旅をする?/「旅」の辞書的定義/旅≒旗≒遊/voyageの語源は「旅費」/travelとtrouble/聖徳太子「この旅人あわれ」/最近旅してる?/シカゴへの女ひとり旅・ニレヨーコ/ケニアでキリンを見て、自分が人間だと気づくはるにゃ/旅嫌いウメ子/出張は旅なのか/出張=サファリ説/遠くに行かなくても旅ができる/中沢新一『アースダイバー』的な時間の旅/まち歩き団体・まいまい京都/ムー×地球の歩き方『異世界の歩き方』/元JAXA職員による『そろそろタイムマシンで未来に行けますか』/私たちは、最果てまで歩いてきた旅人たちの末裔だ/海部陽介『日本人はどこから来たのか』/3万年前の船旅を再現/定住と遊牧の違いとは/柄谷行人『遊動論』/常民・山人・遊民/ジェームズ・スコット『ゾミア――脱国家の世界史』/海民系ゾミアが日本人になった?/杉山正明『遊牧民から見た世界史』/ネパール人によるインドカレー屋がなぜ日本に『カレー移民の謎』/旬感本5冊紹介
▼登場した本
『アースダイバー』中沢新一
『異世界の歩き方』学研プラス
『日本人はどこから来たのか』海部陽介
『遊動論 柳田国男と山人』柄谷行人
『日本の歴史を読みなおす』網野善彦
『ゾミア――脱国家の世界史』ジェームズ・C・スコット
『遊牧民から見た世界史』杉山正明
『カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」』室橋裕和
▼「なぜ旅をするのか?」を考える「ほんのれん」旬感本はこちらの5冊!
『旅行の世界史─人類はどのように旅をしてきたのか』森貴史(著)星海社 2023
『弱いつながり─検索ワードを探す旅』東浩紀(著)幻冬舎文庫 2016
『ビジュアルアトラス 辺境見聞録─世界の果てを見てみたい』ブルーノ・レゲ(著) 清水玲奈(訳)日経ナショナルジオグラフィック 2024
『ウォークス─歩くことの精神史 』レベッカ・ソルニット(著) 東辻賢治郎(訳)左右社 2017
『 旅する地球の生き物たち ヒト・動植物の移動史で読み解く遺伝・経済・多様性』ソニア・シャー(著) 夏野徹也(訳)築地書館 2022
▲旬感ノートより
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ほんのれん編集部
編集工学研究所×丸善雄松堂が提供する一畳ライブラリー「ほんのれん」の選書やメディア制作を手掛けるメンバー。関西弁で跳ねるデザイン知カンガルー・仁禮洋子(ニレヨーコ)、小鳥の風貌ながら知的猛禽類な山本春奈(はるにゃ)、昭和レトロを愛する果敢なコンパイル亀・尾島可奈子(おじー)、2倍速で情報収集する雑読チーター・梅澤奈央(ウメコ)ほか。ほんのれんラジオは毎週水曜更新中。ほんのれん編集部公式noteにこれまでのアーカイブを蓄積してます。https://note.com/honnoren/
「正しさ」ってどこまで正しい?炎上、ポリコレ、etc。なんでこんなに息苦しいのか。
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技術が変わればカラダも変わる?デジタル化で得るもの失うもの、アナログに取り戻したいものは?人間と機械の、これからの関係性?【アフタートーク】
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。