【ほんのれんラジオ:お金01】「お金って〇〇だ!?」を問う本15冊!マネーの正体はファウスト博士の錬金術!?

2024/06/13(木)08:20
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本をきっかけに、問いを深める。ゆるくカジュアルに、世界知と遊ぶ。
「ほんのれんラジオ」の最新シリーズが公開されました!

 

2024年6月のテーマは「お金は◯◯だ。貨幣は何の代わりなのか?」。なんと、お金がテーマです。お金、貯めたい? 使いたい? 稼ぎたい? それとも、足りない…? 私たちは日々、お金を意識しながら生きています。じゃあ、その「お金」ってそもそも何なのでしょう。10円玉?1万円札?預金通帳の残高?財産? どうして、私たちはこんなに「お金」に囚われるのでしょう? お金があれば、どんな商品とでも交換できるのはなぜなのでしょう?

 

最近の売れ筋『DIE WITH ZERO』から、千夜千冊エディション『資本主義問題』まで、15冊の本から「お金」を考える入口を探します。

 

▼エピソード

お金、貯めたい?使いたい?/『DIE WITH ZERO』流行ってるよね/お金ってそもそも何よ?/千夜千冊エディション『資本主義問題』よりお金の機能3つ/「貨幣=言葉」説/家賃なんぼ?給料いくら?/『お金2.0』『贈与経済2.0』/ざっくり紹介『経済の起源』(大澤真幸)/時間泥棒、お金泥棒。ミヒャエル・エンデが書いたこと/ほんのれん「時は金なり?」と関連しそう/MBAで貧血起こしたはるにゃ/はるにゃのざっくり紹介『ファウスト』/ゴールドを採掘する権利/メキシコのペソ金貨のネックレス(300円)/お金を考えると国家にぶちあたる/お金を考えることは文明を考えること?

出演:ほんのれん編集部 ニレヨーコ、はるにゃ、ウメ子

 

▼EDITOR’S NOTE(編集長・仁禮洋子)

 

お金は何の代わり? 

日々気になる、「お金」のモンダイ。投資で蓄財をめざす流れの一方で、『DIE WITH ZERO』という本が売れている。節約はやめて、経験にお金を使い切ってゼロで死のう、と主張するものだ。「お金の貯め方・使い方」は選択肢が広がっている。

しかし、そもそもお金とは何だろう? お札のこと? 通帳に書かれた残高のこと? 経済力のこと? Moneyの語
源は、ラテン語のMonetaであり、「忠告する女神」という意味があるそうだ。Financeの語源はFinish。相手との貸し借りの関係を解消して「関係性を断絶すること」が金融のはじまりだった。

お金は価値の交換を媒介するだけでなく、「忠告」が必要なほどパワーをもったり、「関係を解消」する機能
をもったりもする。その力って、どこからくる? 支払う金額を「代金」というけれど、お金は何の「代わり」になっているんだろうか? 5冊の旬感本を手すりに、「お金」をたくさん言い換えながら、その正体を探ってみた。

 

 

▼「お金とは〇〇だ。」を考える「ほんのれん」旬感本はこちらの5冊!

 

『ふしぎなお金』赤瀬川原平(著)筑摩書房 2022

『〈ヴィジュアル版〉 貨幣の歴史』デイヴィッド・オレル(著)角敦子(訳)原書房 2021

『浮世絵と芸能で読む 江戸の経済』櫻庭由紀子(著)笠間書院 2023

『21世紀の楕円幻想論─その日暮らしの哲学 』平川克美(著)ミシマ社 2018

『お金のむこうに人がいる─元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた予備知識のいらない経済新入門』田内学(著)ダイヤモンド社 2021

 

▼その他、今回登場した本はこちら。

 

『資本主義問題』松岡正剛(著)KADOKAWA 2021

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』佐藤航陽 (著) 幻冬舎 2017

『新しい時代のお金の教科書』山口揚平 (著)筑摩書房 2017

『贈与経済2.0 お金を稼がなくても生きていける世界で暮らす』荒谷大輔 (著)翔泳社 2024

『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』小川さやか (著)春秋社 2019

『うしろめたさの人類学』松村圭一郎 (著)ミシマ社 2017

『経済の起源』大澤真幸(著)岩波書店 2022

『マネーの進化史』ニーアル・ファーガソン(著), 仙名紀 (訳)早川書房 2015

『エンデの遺言―根源からお金を問うこと』河邑厚徳 (著), グループ現代 (著)講談社 2011

『金と魔術:『ファウスト』と近代経済』ハンス・クリストフ ビンスヴァンガー (著),  清水健次 (訳)法政大学出版局 1992

『独立国家のつくり方』坂口恭平(著)講談社 2012

 

 

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  • ほんのれん編集部

    編集工学研究所×丸善雄松堂が提供する一畳ライブラリー「ほんのれん」の選書やメディア制作を手掛けるメンバー。関西弁で跳ねるデザイン知カンガルー・仁禮洋子(ニレヨーコ)、小鳥の風貌ながら知的猛禽類な山本春奈(はるにゃ)、昭和レトロを愛する果敢なコンパイル亀・尾島可奈子(おじー)、2倍速で情報収集する雑読チーター・梅澤奈央(ウメコ)ほか。ほんのれんラジオは毎週水曜更新中。ほんのれん編集部公式noteにこれまでのアーカイブを蓄積してます。https://note.com/honnoren/

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。