この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!そのなかからエディスト編集部メンバーが厳選した、もう一度読みたい注目の”今月の推しキジ” をお届けしています。今回は、選者として初参加のあの方も、登場です。
それでは、2月に公開された記事の中から、今月の推しキジ、いってみよー!
あなたのイチ推しはどれでしたか?
金:多読ジムにはこんな企画もあります。
後藤:昨年の多読ジムSeason16より倶楽部撮家とのコラボ企画がはじまりました。
金:はい、隠れ家のようにひっそりと小さく、しかしラディカルな表現を目指しています。内容は、シーズンごとにテーマのエディションを撮影するというもので、講座内ではまつみち(松井路代)さんが企画を仕切り、エディスト講評のウォッチメンがゴトー(後藤由加里)さんです。
後藤:今回は千夜千冊エディション『性の境界』を撮るというもの。エントリー作品は少し減ってしまったものの、消化されるだけの写真ではない、「本を撮る」集中が感じられた作品が揃いました。本を撮る文化が多読ジムに芽吹いてきています。
金:記事のアイキャッチ欄には毎回、ゴトーさんのお手本がバーンと飛び出し、それに連なるようにして初々しく投稿作品が列をなします。さらにそこに、ゴトーさんの誠実で品のあるテクストが盛り付けられていて、読み進めていくと清々しい気分になります。次回「仏教の源流」もそろそろ公開される頃。楽しみです。 ── 後藤 由加里 & 金 宗代
─ 異彩の発見でPick!
⦿イシスが産むマニエリスム――52[守]特別講義
イシスの教室には異彩が集まる。記事の記者もその1人。イシス基礎コース[守]の師範であり、本業は医師。コロナ禍で多忙を極めた医師すらも虜にする。異彩を惹きつける何かが教室にはある。52[守]で行われた武邑光裕氏の特別講義では、統合型、ルネッサンス3.0、3%の編集など普段聞きなれない言葉が並んだ。あの特別講義は何だったのか。実はイシスの稽古模様そのものだったのだ。ならば、教室に異彩が集うのも納得だ。いや、本当は、編集稽古で異彩になっていくのかもしれない。次の『032c』は、きっとイシスから生まれる。52[守]学衆、いや全読者の必読記事。── 柳瀬 浩之
4 マエストロ上杉’s 推しキジ!
─ 応援ファンファーレでPick!
一読して、後藤由加里さんの10ショットシリーズ(https://eel-dev.sakura.ne.jp/archives/10shot/)を思い出しました。
ただし、この記事で切り抜かれているのは、場や人物ではなく「言葉」。もっと言えば、敢談儀での一日の学びや発見がぎゅっと凝縮された、花伝生とそこに集う方の言葉の数々です。放っておけばその場限りで消えてしまう言葉の数々を、森川絢子師範が掬いとり記事として結晶化してくださいました。
この記事は「春になると花を咲かせる宿根草は、寒い冬の間は地中に根を張り、その時を待ちわびている」という一文からはじまります。花伝生の多くが、この春から学衆から師範代へと衣替えをします(https://eel-dev.sakura.ne.jp/list/83kanmon_53shu_names/)。花伝生たちが師範代として花開く季節も、もうすぐそこです。 ──上杉 公志
以上、2024年2月の記事から、エディスト編集部の”イチ推し” を厳選してお届けしました。
みなさんのオシは、見つかりましたか?
次に選ばれるのは、あなたの記事かもしれない!
※いよいよ4月には、次の基本コース[守]が始まります。
※たくさんの方に編集術にふれていただけるよう、エディスト編集部一同、願っています。
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エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
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【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。