【Archive】52[守]クロニクル ~方法を手に走れ!~

2024/03/24(日)13:52
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濃密に凝縮された15週の編集稽古を終えた52[守]。2023年秋に開講した52[守]は、景山和浩番匠のラグビー見立てそのままに、意図して空けたスペースに異質が転がり出すことすらも楽しむゲーム運びとなった。

何が起こるか分からないからこそ面白い。18教室の師範代と学衆が入り乱れ、相互にパスを交換しながら走り抜けた52[守]の足跡を、50本超のエディスト記事を追うことで追いかけたい。

 

<ウォームアップからアツアツに>

 

●2023年

9月17日 52[守]教室名発表!目ぐすり、盆をどり、ピアニッシモ、校長ヴァージョン…!?!【82感門】(エディスト編集部)(0)

9月23日 混ざるとキケンー52[守]が動き出した(佐藤健太郎師範)(1)

▲伝習座の冒頭、メッセージを送る鈴木康代学匠

 

10月1日 デーモンは巣ごもりしない 【52守伝習座 学匠メッセージ】(阿部幸織記者)

10月3日 千夜エディション ちと図解:第1図『戒・浄土・禅』(町田有理師範代)

10月4日 与件の内側と外側─教室名フライヤー発表─【52守伝習座】(阿部幸織記者)(2)

10月21日 「型」が音楽を運んでくる――瀬尾真喜子のISIS wave(瀬尾真喜子師範代/チーム渦)

10月24日 器と共に育つ――52[守]師範、数寄を好きに語る(小野泰秀師範)(3)

10月26日 メディア美学者・武邑光裕氏の52[守]特別講義、開催決定!(角山祥道師範)
10月26日 肌感覚――石垣の狭間から◆52[守]師範代登板記#01(大濱朋子師範代)(4)
10月28日 フライヤー=旗を掲げよ――52[守]開講前レポート(相部礼子師範、角山祥道師範)(5)

2023年9月12日に52[守]師範陣がZoomに集まった(1)。開講のホイッスルが響く前から、ゲームメイクは始まっている(2)(5)。教室誕生は2023年9月18日の感門之盟での冠界式(0)。発表の瞬間からそれぞれの世界定めは蠢き出す。教室に立つ前から連載を持つ師範代(4)。好きに数奇を語る師範たち(3)。ウォームアップからアツアツに仕掛けられていく。

 

<待ちに待ったキックオフ!>

 

11月2日 月に見守られ18教室が躍り出す―52[守]開講(阿曽祐子番匠)(6)
11月6日 近大生、目指すは「アレ」や-52[守]景山組ドキュメント(1)(景山和浩番匠)(7)
11月9日 子どもと膜でアメーバに――52[守]師範、数寄を好きに語る(遠藤健史師範)
11月10日 変換――石垣の狭間から◆52[守]師範代登板記#02(大濱朋子師範代)
11月13日 事典! 辞典! ジテン! ――52[守]師範、数寄を好きに語る(角山祥道師範)
11月21日 ピンクの猿――石垣の狭間から◆52[守]師範代登板記#03(大濱朋子師範代)
11月21日 電気グルーヴのテクノ情報生命―52[守]師範、数寄を好きに語る(石黒好美師範)
11月22日 借りて着がえて走るべし【52[守]伝習座】(佐藤健太郎師範)
11月24日 食いしん坊師範代のグルメ編集●52[守]勧学会模様(小野泰秀師範)
11月25日 近大生 うなぎのぼりの回答を!-52[守]景山組ドキュメント(2)(景山和浩番匠)

▲エディティングキャラクターが立ち上がる、好評・師範の数奇がたりエッセイ(イラストは、石黒師範の数奇がたり)。

10月30日、とうとうやってきた開講の日(6)。新たな自分の誕生に向け準備を重ねた師範代たちが一斉に走り出した。緊張の中のはじめて出題。回答が届いたときの嬉しさは、特別なものだ。近大生稽古ドキュメントの連載(7)もはじまり、序盤から多様なパス回しに。

 

<伝習座でスクラム!>

 

12月2日 <速報>52[守]伝習座 エディットNOW 「見立て」で教室を動かす。(萩原ヒロキ記者)
12月5日 師範代はダイヤモンドリングを見逃さない 【52守伝習座】オープニングメッセージ(阿部幸織記者)(8)
12月15日 チャットを旬にする――52[守]伝習座ルポ(遠藤健史師範)(9)
12月17日 型をお守りに、物語へ出る──51[破]伝習座レポート(稲垣景子師範)(10)

▲チャットの中にも編集的世界があった――52[守]第2回伝習座。

ゲーム序盤から、教室の色は鮮やかに彩られ、教室のワールドモデルの更新が必要となってくる。12月2日の伝習座(8)では今を与件にこの先へのメイキングがターゲットとなった。ZOOMの向こうではオブザーブの学衆を本楼参加が叶わなかった番匠・師範・師範代がチャットで巻き込んでいく(9)
また今期は、講座を超えた交わしあい、混ざり合いも積極的に行われた。52[守]からは、師範、番匠が記者となって51[破]伝習座に参加し、レポートを仕上げた(10)

 

<ハーフタイムに起こる変容>

 

12月22日 異種交流で浮き世離れせよ■武邑光裕を知る・読む・考える(角山祥道師範)(11)
12月30日 異物を取り込み、表象に向かう――51[破]伝習座レポート(阿曽祐子番匠)

12月31日 近大生、いざ番ボー!ー52[守]近大景山組ドキュメント(3)(景山和浩番匠)

▲52[守]では、講義を迎えるにあたって武邑本の共読を試みた。

 

●2024年
1月5日 日本文化の記憶の継承者たれ■武邑光裕を知る・読む・考える(2)(阿曽祐子番匠)(12)
1月9日 全体主義に抗うための問いを持て■武邑光裕を知る・読む・考える(3)(小野泰秀師範)(13)
1月12日 にんじんしりしり――石垣の狭間から◆52[守]師範代登板記#04(大濱朋子師範代)
1月13日 天使は舞い降りた■武邑光裕を知る・読む・考える(4)(角山祥道師範)(14)
1月21日 edit=to give out 「きめる/つたえる」編集とは【52[守]伝習座】(阿部幸織記者)
1月27日 遠くの月からミメロギア──風月盆をどり教室初汁講レポート 52[守](遠藤健史師範)


2月7日 Big Flat Nowの今こそインタースコア力――52[守]特別講義(阿曽祐子番匠)(15)

2月8日 地下鉄のZONE ZPD OMEZAME□52[守]合同汁講レポ(角山祥道師範)
2月9日 ミメロギア、武邑光裕特別賞発表――52[守]特別講義番外篇(角山祥道師範)(16)
2月9日 イシスが産むマニエリスム――52[守]特別講義(遠藤健史師範)(17)

12月28日。第二回番選ボードレールのお題「即答・ミメロギア」が出題される。今回のお題には、特別講義をお願いした武邑光裕さんからの特別お題<水・魚>も含まれ(16)、師範代の指南も熱を帯びる。武邑さんの講義への期待感も高まっていく。

稽古の合間のスペシャルな時間として持たれた武邑光裕さんの特別講義は、2024年1月21日に開催された(15)(17)。今期は師範・師範代が共読の場をつくり、うずうず騒ぐ期待感を持って当日に臨んだ(11)(12)(13)(14)。複数のスペースをつくることが、大きく場を動かしていく。

 

<ロッカールームを覗いてみれば>

 

2月10日 盆栽が満載・祝祭に喝采―52[守]汁講模様(佐藤健太郎師範)(18)

2月18日 花伝師範が見通す52[守]の共振力、汁講見聞録(平野しのぶ花伝師範)(19)
2月21日 飲み込む――石垣の狭間から◆52[守]師範代登板記#05(大濱朋子師範代)(20)

▲大濱師範代の52[守]師範代登板記は講座を超えて話題になった。

 

3月2日 ただ、ボウズでは終わらせない―52[守]近大番(稲森久純近大番)
3月8日 The Big Flat Now を生きる編集力の可能性を語る 武邑光裕の編集宣言【守】特別講義レポート(安田晶子記者)
3月10日 3度目の[破]は2つのルールと(遠藤健史師範)
3月13日 教室で人生相談?あの俳優?いつ寝てる?師範代は謎な人ー52〔守〕卒門を果たした近大生に聞く(石黒好美師範)
3月14日 夢の共有――石垣の狭間から◆52[守]師範代登板記#06(大濱朋子師範代)

コロナ禍の時期に編集学校の門を叩いた指導陣も増えてきおり、ここ数年は汁講はZOOMが主流となっていたが、いよいよリアル汁講も開催されるように(19)。汁講のあり方もますます多様性をおびてきた(18)。汁講にも教室にも、師範代のカラーが前面に出てきた(20)

 

<ノーサイドの向こうへ>

▲第83回感門之盟のテーマは「エディット・タイド」。

 

3月16日 【第83回感門之盟】「エディット・タイド」Day1 公開記事総覧(上杉公志記者)(21)

3月17日 【第83回感門之盟】「エディット・タイド」Day2 公開記事総覧(上杉公志記者)

3月21日 編集定期診断のすすめ――52[守]再受講体験談(柳瀬浩之さん)

3月23日 線の冒険――石垣の狭間から◆52[守]師範代登板記#07(大濱朋子師範代)

3月23日 【第83回感門之盟】「エディット・タイド」Day3 公開記事総覧(上杉公志記者)

3月24日 ひと潮から新潮流「映像編集」へ――52[守]師範による突破者インタビュー(阿曽祐子番匠)(22)

2024年3月16日。編集学校でノーサイドのホイッスルが響くのは、2月11日の卒門日ではなく、感門之盟だ(21)。そして、この日は終わりと共に次への扉の前に立つ時でもある。

久しぶりに開催されたアフ感(感門之盟の後の交流会)では、それぞれの「この先」についての話題が飛び交った。健闘を称え合い、笑い合い、次の試合の準備へ向かう。次に再会した時は、どんな出会いとなるだろう? ノーサイドの向こうの景色は、最後まで走り抜けたものだけが堪能できる(22)
それぞれの先へ走れ。

 

構成・文/小椋加奈子師範

アイキャッチ/阿久津健師範

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。