エディット・タイドの音連れ ─【83感門】オープニングメッセージ

2024/03/16(土)18:00
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北陸新幹線が延伸し、東京ー福井の距離がいっきに縮まった3月16日。この象徴的な日に、第83回感門之盟が幕開けした。

 

今回のテーマは「EDIT TIDE(エディット・タイド)」。潮流を意味するTIDEの読みには、エディットな態度というメッセージも込めた。

 

潮はうしおとも読み、「おもてに表わす」ことをさす。3日間にわたる今回の感門之盟で、なにが押し寄せどんな潮流が表れるのだろうか。

 

 

■TIDEをおこすオープニングメッセージ

 

 

 

学林局の八田英子律師は、イシス編集学校の編集稽古に、寄せては返す波のリズムを重ねてメッセージを語った。

 

月と太陽が引き合い絶えずおこる潮の満ち引きのように、相互に編集しつづけるインタースコアな編集稽古もやむことがない。社会の潮流にのるのでは遅い。さまざまな節目を引き受けて、一人ひとりが潮流を起こすときだ。

 

校長、局長、そして各講座の指導陣と学衆によるインタースコアな循環は、イシス編集学校が開校した2000年から続いてきた。ただ今日は、始まりからイシスと共にいた佐々木千佳局長が、いまここには、いない。闘病中の病院からこの第83回感門之盟をみつめている。

 

月と太陽の関係は目に見えないが、相互に影響を与えている。わたしたちも佐々木局長の眼差しを感じながら、感門之盟に満ち引きのリズムをつくりたい。

 

 

■DAY1司会のEDITなタイド

 

感門1日目の司会を務める山田細香錬成師範が登場した。装いはすべて黒のヨウジヤマモトと決めている山田が、白と黒のコントラストが鮮やかなISSAY MIYAKEの衣装で現れた。

 

感門のタイトル<EDIT TIDE>をうけ、いつもとは違う態度で衣装をきめた。

 

 

プロフィール
山田細香

建築家・村野藤吾を敬愛する一級建築士。大阪在住。イシス編集学校には2016年、基本コース37期[守]に入門。応用コース37期[破]、風韻講座15季[遊]、編集コーチ養成コース28期[花伝所]を修了後、B面方眼教室師範代として41[守][破]に登板。世界読書奥義伝13季[離]を受講。多読SP村田沙耶香篇では大賞とメソッド賞をダブル受賞。

 

【イシスの推しメンSP/17人目】一級建築士・山田細香は、なぜ震災を機にイシス編集学校を選んだのか

https://eel-dev.sakura.ne.jp/cast/oshimen17_yamadahosoka/

 

【速報!】村田沙耶香賞発表 多読SP

https://eel-dev.sakura.ne.jp/just/tadoku_muratasayaka_award/

 

山田の編集にたいするTIDE(態度)は、ひとつの問いが支えている。

 

”自分”から離れ、世界とのつながり方を仮説的に変えてみること。

 

[破]学衆時代に師範代から、そして[離]学衆として校長から渡されたこのお題を抱えながら編集を続けてきたという山田は、多読SPでは村田沙耶香氏の方法を借りたメディエーション体験で、眠るのが惜しいと感じるほど夢中になったという。

 

他者の方法を借りて自分から離れる。そうすることで別様の可能性に触れることができた。編集の悦楽はひとりではたどり着けない。みなさんと相互に引き合って、あらたな潮流を起こしたい。

 

潮は満ちたようだ。イシスなTIDE(潮流)に身を任せ、編集の悦楽を体験しよう。

 

  • 阿部幸織

    編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。