この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

世界はルールであふれています。常識、社会規範、コンプライアンス……。ともすれば、私たちはそのルールにがんじがらめになって自由を失ってしまいます。「塔を出てはいけない」という理不尽なルールによって、ラプンツェルのように人生が窮屈になります。いっぽうで、ルールには不思議な力があります。ラグビーに「手を使わない」というルールを加えただけで、サッカーという新スポーツが誕生。いまや世界中が熱狂する競技となりました。
「ルールには人生をつまらなくも面白くもできる強力な力があるんです」。そう語るのは、ビジネスパーソンの人材育成に携わる柳瀬浩之師範代。柳瀬師範代は、自身が立ち上げた株式会社ビータップ代表取締役社長。どんな新サービスを開発するか悩んだときに、ふと手に取った『知の編集術』(松岡正剛著)にハッとさせられて、イシス編集学校に入門したようです。
柳瀬師範代は、イシスに入門してから「世界の見え方が変わった」と言います。入門する前は、プロとして仕事をするうえで「何かの専門家にならないといけない」とある分野の知識やスキルを蓄積しようと肩肘張っていた。けれど、イシスで学んでみると「そうじゃなくてもいい!」と気付いたんだとか。柳瀬師範代はどうして、専門家であることにこだわらなくなったんでしょう? そしてなぜ、そのほうが仕事が楽しくなったのでしょう?
3月24日(日)、イシス編集学校の学校説明会を開催します。ナビゲーターは、柳瀬師範代。ご自身の経験談も踏まえつつ、イシスで学べることや、イシスの編集稽古の魅力をたっぷりとお伝えします。オンラインの開催となりますので、ご自宅から、職場から、ご都合のよいところからアクセスください。きっと、「ルールがあるから自由になれる」という編集の不思議さを、味見していただけるはずです。
イシス編集学校 オンライン学校説明会
■日時:2024年3月24日(日)14:00-15:30
■費用:無料
■会場:オンライン(お申し込みの方にZoomアドレスをご案内します)
■人数:限定15名様まで
■ナビゲーター:イシス編集学校師範代 柳瀬浩之
■内容:イシス編集学校で学べる内容をわかりやすくご説明します。イシス独自の「編集稽古」をワークショップ形式で体験いただけます。少人数での開催となりますので、個別でのご相談にもじっくりとご対応いたします。
■申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/667
申込締切:3月21日(金)15:00
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。