この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!そのなかからエディスト編集部メンバーが厳選した、もう一度読みたい注目の”今月の推しキジ” をお届けします。
今回は、2023年12月に公開された記事の中からピックアップ。選者として、チーム渦を代表して、羽根田月香さんが参加。
そして、2024年の新春放談に登場した福井千裕さんが自薦し、2023年自己ベスト3記事をPickしてくださいました。
それでは今月の推しキジ、いってみよぅー!
⦿クリスマスの朝から大興行「シン・お笑い大惨寺」
「予言しよう。
来たる12月25日のクリスマスの朝。イシス編集学校全体を震わす大事件が起こる。」
2023年12月16日、エディストで突然に意味深な記事が公開された。この大事件とは、クリスマスの朝に始まる「シン・お笑い大惨寺」だった。その謎が明かされたのがこちらの記事です。ライターは「渦角」こと角山祥道さん。
この大事件の仕掛け人は、「デーブ川崎」こと川崎隆章さんです。新春放談のこちらの記事ではゲストとしてお越しくださいました。
「シン・お笑い大惨寺」を知るには、参加してみるのが一番! どなたでも、いますぐ参加可能です。 ──上杉 公志
気になる参加方法はこちら
(ハマりすぎる人が続出中なのでご注意を^^)↓
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「シン・お笑い大惨寺」への参加方法
1)Edit cafe が使える方は、
左側のラウンジメニューから「シン★お笑い大惨寺」というラウンジ名を探してください。
メール配信はしてませんので、ご自身でログインして、毎日見に行っていただければ幸いです。
2)Edit cafe が使えない方は、
Facebook に「シン・お笑い大惨寺 分院」というグループがあります。
ここにまずはご参加いただき、楽しんでみてください。
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⦿【追悼】笑顔と緩性の師範:山根尚子さんインタビュー(前編)
⦿【追悼】笑顔と緩性の師範:山根尚子さんインタビュー(後編)
笑顔が見える。声が聞こえる。山根尚子さんが師範代だったときの学衆である梅澤奈央による2019年のインタビューである。思いと技術と編集があれば、いつでも人は甦ることが、このエディストであらためてわかった。ヨガポーズでの「ISIS」マークをオーダーされ、エディットツアーでとった木のポーズにチャットでつっこまれ、Mシャツのモデルでもヨガポージングを決め、どんな無茶なオーダーにも笑顔で応じた山根さん。その面影がイシスではいつもそばにある。関係が希薄になっている現代において、イシス編集学校では稽古を通した濃密な時間があり、EditCafeでは言葉が今も踊っている。家族も友人も知らない姿が息づいている。山根尚子さん追悼の会である「惜門館」は本楼で執り行われる2月18日。申し込みはこちらから。── 吉村 堅樹
3 羽根田’s 推しキジ!
─ 〈指止め度:5〉でPick!
⦿情報は堰を切る 【輪読座】「富士谷御杖の言霊を読む」第二輪
スクロール。スクロール。スクロール。終わりなき巻物のようにAIレコメンドが吐き出してくるトラッシーな文章たち。心は扨置いて必要な記事だけを指で流し読む、その指が止まった。蒜から輪読座につなげる連想にまずは瞠目し、異分子だという冒頭の書き手の告白によって、本記事は単に講座紹介にとどまらず、合わせ鏡のように輪読師の孤高をも焙り出した。徐々に熱量をあげながらラストは伏せる塩梅も、講座への誘いとして憎い。何より「咳」から〈堰き止め度〉というスコアを創造し、同講座にひそむ豊潤な二次情報に圏点を打ってくれた本記事に、新たなスコアで返礼させていただきたい。スコアとは、これまでにない自分だけの価値基準をつくること。敬愛する某師範の言葉を思い出した。──羽根田 月香
⦿京都は神社が少なく教会が多い?◢◤[遊姿綴箋] リレーコラム:福田容子
京都には教会が多い。単純にその情報に驚きました。「京都の人はパンが好き」と聞いた時と同じくらい驚きました。(なんと偏ったステレオタイプのイメージ)
京都という情報の「地」と「図」が華麗にひっくり返るような爽快感を、ふくよさんの記事を拝読して感じたものです。
何よりグッときたのは「時間によって陽光の入り方が変わって美しいです」というボランティアスタッフの一言。教会で長時間を過ごしたことがない私でも、その美しい光の移り変わりが目に浮かんでくる思いがしました。記事に没入し京都の教会にトリップした心地がしました。 ──後藤由加里
⦿無人書店・奈良町ふうせんかずらに”スタジオらん”棚あります【新連載☆ニッチも冊師も】
⦿畑本ヒロノブの実況つんどく宝島【連載☆ニッチも冊師も】
多読ジムの連載シリーズ「ニッチも冊師も」がスタートしました。各スタジオ(≒教室)の「冊師が書く」という点が特色です。
第一弾は、《スタジオらん》のまつみち冊師(松井路代)が、多読ジムのお題を使って「本を売る」というお話をレポートしてくれました。まつみち冊師は、スタジオらんinstagramも展開中です。
第二弾は、JUSTライターとしても大活躍中の畑本ヒロノブ冊師(スタジオみみっく)が、積読を「宝探し」に見立てて、「実況」という方法にチャレンジしました。
《スタジオ美ジョン》のヨーコ、《ゆむかちゅん》のワタン、《かーる》のニシムラ、《ファジー》のしげひろ、《スダジイ》のスダ爺、「ドッキ」のリカちゃん…などなど、冊師はまだまだ個性的なキャラクターがたくさんいますので今後の展開もご期待ください。──金 宗代
番外編
ということで、福井さんの自薦、推しキジベスト3を発表です!
⦿わたしの推しキジ その1:
次男坊が帰ってきた!【本楼エディットツアーレポ】
この記事でとりあげた次男坊ことFくんですが、無事に52[守]に入門してくださったんです!
しかも編集稽古をがんばっていて、教室を引っ張る頼もしい存在なんだとか。[守]を卒門したらその先にもずんずん進んでいただいていずれ師範代になって大活躍してほしいですね^^
⦿わたしの推しキジ その2:
2023年、もっとも沸いた編集ワークショップはこれだ!笑いと拍手が渦巻く「子ども編集学校」
レコード大賞、流行語大賞など年末はいろんな大賞が登場しましたが、2023年福井千裕プレゼンツ「エディットツアー大賞」を勝手に選びました(笑)
このツアー、とにかく愉しかったんです。とくに4つの絵を並び替えて物語にするゲームは、子どもたちのやわらかい発想に心を射抜かれる大人が続出。大盛り上がりでした。
4つの絵は記事に載せておいたので、エディスト読者のみなさんもお子さんとのあそびにぜひ。そして子ども編集学校の次回ワークショップも楽しみです!
⦿わたしの推しキジ その3:
軽井沢風越学園の中学生「編集」でみらいをつくる!【ワークショップレポ】
記事が出たあとすぐに本城さんから、「広報担当スタッフが『これまで風越を取り扱った記事の中で、一番!』と大喜びでした」とメールをいただいたときは、イシスの魅力だけでなく、風越学園の魅力も伝えることができたのかなとほっとしました。
ほかにもたくさんの方に読んでいただき、感想も届き、この記事がきっかけでお話するようになった方も。
吉村林頭がオツ千でずっと熱弁している編集のエッセンスも凝縮されているので、自分でもときどき読み返しています。
読むたびに新しい発見もあり、まさに「風」のような存在の記事だなと思います。
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2023年12月の記事から、エディスト編集部の”イチ推し” を厳選してお届けしました。
次に選ばれるのは、あなたの記事かもしれない!
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
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芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
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コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。