伝説の73感門コレクション 春の雪舞う百花繚乱

2020/03/19(木)08:45
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史上もっとも早く咲いた桜に、3月の雪が舞う。イシス初のハイブリット感門は、自然の演出も賑々しいものだった。

 

「劇的なことになってますね」
そとの雪を眺めて松岡正剛校長はそっと笑い、本楼をのぞきこんでは「はじめての体験だ」と目を細める。

 

今後語り継がれるであろう第73回感門之盟。豪徳寺は、花冷えとは裏腹に百花繚乱だった。そこで咲きほこった16名の装いをご覧いただこう。


 

 

▲大正レトロのお着物、一目惚れでした。ターコイズの帯締めと、羽のピアスとリンクする鳥の柄がポイント。このピアスは……

――小林奈緒(43[破]ホーム・ミーム教室師範代)

 

 

▲そう、奈緒師範代のフェザーピアス、私の知人が作ったもので、一緒に着けようって約束してたんです。じつは大音美弥子冊匠とも。

――写真上・今田美穂(44[守]ラテ・ルナ・マギカ教室師範代)


 

 

▲上はヴィヴィアン、下はヨウジ。世の中ががちゃがちゃしてるからね、あえてシックに。学衆さんから、全身見たい!とリクエスト来てました。

――桂大介(44[守]師範)

 

 

▲波乱万丈すべてを織りこむイッセイミヤケのプリーツ。20代のころから大好きなんです。この日のために買いました。

――嶋本昌子(43[破]羅甸お侠教室師範代)

 

 

▲母が嫁入り前に仕立てた着物です。松竹梅のおめでたい柄がぴったりと思いまして。お琴を習っているので、着付けは自分でしています。

――佐藤裕子(44[守]幕末カノン教室師範代)

 

 

 

▲ボンジュール♪〜 Are you pink!? みんな元気? このジャケットは昔の仕事着! 今日はね、靴下までピンクなの! 見る?

――池澤祐子(44[守]師範)

 

 

▲アルゼンチンタンゴ踊ります。髪色? 急に降りてきたんですよね。髪が映えるようなワンピースにしました。

――北條玲子(44[守]事代ハルモニア教室学衆)

 

 

▲情熱の紅。爪の先からジャケットまで。僕梅澤は、ネックストラップだけが赤。

――福井千裕・梅澤光由・齋藤成憲(32[花]くれない道場花伝生・花伝生・花伝師範)

 

 

 

▲からっ風ふきすさぶイメージで。勝負ポイントはメガネ。これね、サングラス付きなんですよ、めっちゃ便利!

――福田容子(43[破]比叡おろし教室師範代)

 

 

 

 

▲生まれは東大寺。今日のために、阿ギョー師匠・吽ギョ師匠に出張いただきました。

――森本研二(44[守]ユーヅームゲ教室師範代)

 

 

 

▲守ですから、朱の花を咲かせたくて。ほら、春ですし。Mシャツの「編集力」ともバッチリじゃないですか。

――林朝恵(44[守]師範)

 

 

 

▲デンゾー改めライゾーです! 41守登板時から「日本する」ため和服を着てます。今日はほとんど裏方なんで、さっと羽織れるデニム着物を。

――武田英裕(44[破]来々雷三教室師範代)

 

 

 

▲どう見ても、僕が弟子ですよね。

――写真左・内海太陽(43[破]合氣プロセス教室師範代)

 

▲極めてるのは「サ道」です。

――写真右・三浦史朗(43[破]合氣プロセス教室学衆)

 

 

 

▲織部色のドレスに、背負うのは藤とアヤメ。

 「加藤、先達にあやかります」

――加藤めぐみ(司会・40[破]ふかよみ吟醸教室師範代)

 

 

 

▲クラシックの舞台であっても、指揮者でもない限り着ないんです。覚悟の燕尾服。

――上杉公志(司会・35[破]おとづれスコア教室師範代)

 

 

 

▲あのスカジャン? デザイナーが調整で持ってっちゃってね。いつか着ますよ。

――松岡正剛(校長)

 

 

(写真・構成:後藤由加里)

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。