この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

編集学校の教室名はじっとしていない。ハマチがブリへとネーミングを着替えるように、[守]から[破]へのさしかかりで教室名が様変わりする。第82回感門之盟では、51[破]講座を受け持つ10の教室名が、校長松岡正剛によるネーミング編集で“出世魚”をした。
発表を待つ面々。左から新垣香子師範代、一倉広美師範代、山崎智章師範代、妹尾高嗣師範代。
「シメスが残る?」「森が3割、シナプスが2割残るかな?」自分の教室名を予想しながら発表を待っている。
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司会は福田容子番匠、野嶋真帆番匠。出世魚名と共に、教室名を知った瞬間の様子もお楽しみあれ。
◆一倉広美 師範代
五七五クノー教室 → マラルメ五七五(ごしちご)教室
◆山崎智章 師範代
森のシナプス教室 → トークン森々(もりもり)教室
◆森下揚平 師範代
配列変えます教室 → マジカル配列(はいれつ)教室
◆新垣香子 師範代
カタルトシメス教室 → カタルトシズル教室
◆南田桂吾 師範代
ルイジ・ソージ教室 → 類児・創児(るいじ・そうじ)教室
◆本間 裕 師範代
ホンロー・ウォーク教室 → ホンロー太夫(だゆう)教室
◆黒田領太 師範代
ミネルバ・ロードス教室 → くればミネルバ教室
◆紀平尚子 師範代
アスレ・ショーコ教室 → アスロン・ショーコ教室
◆西宮牧人 師範代
カンテ・ホンド教室 → カンテ・ギターラ教室
◆妹尾高嗣 師範代
平蔵もっぱら教室 → 平蔵(へいぞう)ひたすら教室
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会場を沸かせた紹介動画は、下記リンクをクリックすると視聴できる。
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手がけたのは山内貴暉。前期の穂積晴明のミームを引き継ぎつつ、教室名の中にひそむらしさを取り出した。
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福田番匠は今期を振り返り、「[破]は孤独と断崖を突きつけるプログラム。50[破]は手厚すぎたと反省している。次はもっと過剰にやる」と言い放った。
51[破]の募集は10月1日締め切り、16日開講。きょう申し込みボタンを押せても、明日押せるとは限らない。内なるデーモンを引きずり出したくなったら、すぐに参集すべし。
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(テキスト・レイアウト:清水幸江)
清水幸江
編集的先達:山田孝之。カラオケとおつまみと着物の三位一体はおまかせよ♪と公言。スナックのママのような得意手を誇るインテリアコーディネーターであり、仕舞い方編集者。ぽわ~っとした見た目ながら、ずばずばと切り込む鋭い物言いも魅力。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。