【82感門】旅立ちと始まりの間(八田律師メッセージ)

2023/09/16(土)14:43
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イシス編集学校では、感門之盟と呼ばれる、始まりと旅立ちの間の式がある。[守][破][花伝所]の学びを終えた学衆が集い、寿ぎあう。


タイパという言葉が幅を聞かせる世の中だが、イシス編集学校の学びの濃さは、効率という尺度では測れない。


卒門、突破、放伝という、学びの完了に至るまでには、学衆と師範代の交わし合いの中に、涙と笑いと悔しさと誇りが散りばめられている。重なり合う律動が、イシス編集学校を作り上げているのだ。

 


黒と白の間、錫色のワンピースに身を包み。八田律師が登場した。

「律師の律は律動の律」

イシス編集学校に響く音を束ねて舞台に立つ。

 

イキイキとした編集の場は、学衆、師範代、師範や指導陣の律動から生まれる。イシス編集学校の回答には、正解がない。規制も手加減もないからこそ、平均的で小粒になりゆく日本の中に、デーモンを生み出すことができる。

 

旅立ちと新たな学びの始まりの間、感門之盟で編集を学ぶ喜びを感じてほしい。

 

 

 

 

  • 北條玲子

    編集的先達:池澤祐子師範。没頭こそが生きがい。没入こそが本懐。書道、ヨガを経て、タンゴを愛する情熱の師範。柔らかくて動じない受容力の編集ファンタジスタでもある。レコードプレイヤーを購入し、SP盤沼にダイブ中。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。