感門を寿ぐ一冊 51[守]先達文庫【82感門】

2023/09/16(土)17:00
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51守先達文庫
第82回感門之盟「エディット デモンストレーション」で、51[守]を終えた師範代19名に「先達文庫」が授与された。編集学校では一期を全うした師範代に、松岡正剛校長と木村久美子月匠が相互に編集しながらその師範代への餞となる本を選んで贈る。師範が師範代をねぎらう感門表を授与し、先達文庫を託された鈴木康代学匠が、師範代を称えながら一冊一冊手渡していく。本の紹介は相部礼子師範によってなされた。贈呈された先達文庫は以下の通り。
 
◆新垣香子 師範代(カタルトシメス教室)
 『紫式部ひとり語り』(山本淳子/角川ソフィア文庫)
 
◆重廣竜之 師範代(ダブル・ヴィジョン教室)
 『愛書狂』(G.フローベールほか/平凡社ライブラリー)
 
◆大塚早紀子 師範代(正夢ジップロック教室)
 『たしなみについて』(白洲正子/河出文庫)
 
◆奥村泰生 師範代(学匠ただいま!教室)
 『イメージとマネージ:リーダーシップとゲームメイクの戦略的指針』(平尾誠二, 松岡正剛/集英社文庫)
 
◆和泉隆久 師範代(熱~いヤカン教室)
 『父の時代 私の時代:わがエディトリアル・デザイン史』(堀内誠一/ちくま文庫)
 
◆原田祥子 師範代(斜月薫風教室)
 『この年齢(とし)だった!』(酒井順子/集英社文庫)
 
◆佐土原太志 師範代(シビルきびる教室)
 『「ない仕事」の作り方』(みうらじゅん/文春文庫)
 
◆伊藤誠秀 師範代(カルメンおいで教室)
 『私の大事な場所』(ドナルド・キーン/中公文庫)
 
◆束原俊哉 師範代(一月二十五日教室)
 『文字答問』(白川静/平凡社ライブラリー)
 
◆南田桂吾 師範代(ルイジ・ソージ教室)
 『金色昔日:現代中国SFアンソロジー』(ケン・リュウ[編]/ハヤカワ文庫)
 
◆吉田麻子 師範代(若水尽きぬ教室)
 『すべての、白いものたちの』(ハン・ガン/河出文庫)
 
◆奥富宏幸 師範代(東雲シナジー教室)
 『将棋エッセイコレクション』(後藤元気[編]/ちくま文庫)
 
◆山崎智章 師範代(森のシナプス教室)
 『湯川秀樹 歌文集』(湯川秀樹/講談社学芸文庫)
 
◆畑本浩伸 師範代(近場のダイモーン教室)
 『近世快人伝:頭山満から父杉山茂丸まで』(夢野久作/文春学藝ライブラリー)
 
◆山本昭子 師範代(光合成センタイ派教室)
 『イーハトーボ 農学校の春』(宮沢賢治/角川文庫)
 
◆鈴木哲也 師範代(分人庭師教室)
 『牧野富太郎自叙伝』(牧野富太郎/講談社学術文庫)
 

◆森下揚平 師範代(配列変えます教室)

 『日本数寄』(松岡正剛/ちくま学芸文庫)
 
◆一倉広美 師範代(五七五クノー教室)
 『日本語の勝利/アイデンティティーズ』(リービ英雄/講談社文芸文庫)
  
◆本間裕 師範代(ホンロー・ウォーク教室)
 『其角と楽しむ江戸俳句』(半藤一利/平凡社ライブラリー)
 
ご卒門された皆様、おめでとうございました。
 
(テキスト・レイアウト:米田奈穂)
  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。