この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーが厳選した、見逃せない ”今月の推しキジ” をお届けします。
今年の春にスタートした、エディスト・チーム渦。角山祥道師範、羽根田月香さんを中心に、現在、学衆コラム“ISIS wave”が連載されています。この“今月の推しキジ”シリーズにも、春から毎回チーム渦に参加いただくことになりました。
さあ、今月はどの記事が推されたのか?それでは今月の推しキジをどうぞ!
※推しキジPickに参加してみたい!というかたがいらっしゃれば、いつでもマツコにご連絡ください。
師範代、師範が編集術、編集工学、指南方法を深める伝習座。守の4つの用法のトリ、用法4「きめる・つたえる」の解説をつとめたのが石黒好美師範。情報の表現を極める編集の型を「笑い」をキーワードに射抜いて見せた。そのレポートを引き受けたのが、エディストライターとして売り出し中の福井千裕師範代。あらゆるイベントに出没し、自ら学びながらアウトプットし続ける姿は、これからのエディストスターとして大いに期待したい。語ってよしの石黒、書いてよしの福井をダブルで推したい。
──吉村 堅樹
ということで、勢いのある石黒師範の伝習座レクを、こうもエネルギッシュにレポートする福井師範代に、あっぱれでございました。推されるべくして推された、という感じですね。
さて、エディストライターのプロフィールにはみなさん編集的先達を書かれています。石黒師範の編集的先達は電気グルーヴ、福井師範代の編集的先達は石牟礼道子。ふむ、なるほどな感覚におちたのは私だけでしょうか。いやはや、編集道の未来は明るい。
37[花]から花伝所の指導陣が交替でコラムを書いていて、密かに注目している。実は講座の記事は難しい。編集用語×出来事でまとめれば、それっぽい記事が書けるが、「編集用語やイシスのフレーズ自体が紋切り型になる」という陥穽があって意外と苦労するのだ。38[花]はアイキャッチにも苦心していたので、さてどうなるかと気になっていたが、「そうきたか!」という記事がこれ。題名だけでは意図がわからず、記事の半分以上は「自分ごと」だ。ところがこの体験に書き手の「見方づけ」(モニターアーム=余白)が差し込まれ、一気に編集語りとなる。そうか、題名は「問い」だったのか。
日常に編集的見方を重ねることで、渦を発生させている。体験的対角線の引き方も見事。編集語りのホドも丁度よい。 ── 角山 祥道
本を撮るとは存外難しいことです。中でも『千夜千冊エディション』は何冊もの本が1冊に入っていて、世界観が広大かつ深遠であるがゆえ、いざ撮影しようと思うとエディションのもつ複雑さと熱量に怯みそうになります。最新エディション『昭和の作家力』の撮影に挑んだのは倶楽部撮家8名のメンバーです。同じ本を一斉に撮るという試みは今回が初めて。各々『昭和の作家力』のどこに感応し、何を撮ろうとしたのか、その方法の違いを楽しんでもらえればと思います。
そして、倶楽部撮家メンバーである宮坂由香も、ついにエディストライター・デビューをしました。初めてにして3本立て。今まさに教室に向かっている師範代の心の動きに寄り添うように丁寧にシャッターを切る、伝習座フォトレポートです。こちらもあわせてご覧ください。
──後藤 由加里
マツコ’s Plus one?!
倶楽部撮家の表現の場のひとつ、インスタもお忘れなく〜
Instagram更新中!(@isis_editschool)
4 マエストロ上杉’s 推しキジ!
─ 応援ファンファーレでPick!
⦿恋心ゆらめく「ホンとの話」を司書に託して【目次読書から共読へ】
九天玄氣組の中野組長によるレポート。同じく九天玄氣組のメンバーの三苫麻里師範代がナビを担当された、福岡地区高等学校の学校図書館協議会総会での目次読書ワークショップを記事にしてくださいました。
イシスではお馴染みの「目次読書」とインタラクティブな「共読」のワークの様子が写真がなくてもいきいきと伝わってきます。それは、目次読書で本を装幀や手触りといったものも情報として扱うように、中野組長がワークショップの場の多様な情報を収集して、レポートの随所に盛り込んでいるから。特に司書のみなさんがワークが進むにつれて次第に没頭していくプロセスが一貫して編みあげられていました。
今回のような、イシスメンバーの取り組みや活動をもっと拝見・拝読したいなと思わず思ってしまいました。 ──上杉 公志
マツコ’s Plus one!
九州支所「九天玄氣組」による過去記事5選
?エディスト初記事 2019/08/01(木) まだら、まんだら、九天玄氣組。
?九天組長インタビューfile1 2019/11/09(土)東京の品川未貴が福岡で大転身したわけ
?毎年お正月恒例! 2020/01/22(水) 松岡校長に贈る九天年賀の「編集道」
?エディットツアーも 2021/04/02(金)あなたの知らない編集学校「地域支所」の世界【ツアー@九州】
?九天をまとめよみ 随時更新 【Playlist】玄氣で侠氣な九天7選(選:中野由紀昌)
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2023年6月の記事から、エディスト編集部の”イチ推しキジ” を厳選してお届けしました。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。