イチ推し! 編集部セレクション [2023年2月]

2023/02/19(日)08:45
img LISTedit

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーが厳選した、見逃せない今月の推しキジをお届けします。

 

このキジを読んでくださっている皆様の中で、毎月のイチ推しをPickする人として参加してみたい方はいらっしゃいませんか? 2023年、推しキジの歴史に、ご自身のコメントを刻んでみませんか。自薦・他薦を、お待ちしています。


では、今月のイチオシ、いってみよぅー!

 

遊刊エディスト編集部 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代

 

    • 1マエストロ上杉’s 推しキジ!uesugi
    •      ─ 応援ファンファーレでPick!

 

⦿【三冊筋プレス】壁の中の充足・壁の外の自由(中原洋子)

 

2022年大晦日に放送されたヤマザキマリラジオに出演した松岡校長は、「わたしたちは、イギリスのEU離脱やトランプ政権のことなど、数年前の出来事を語れないどころか、すぐに忘れ去ってしまう」といった旨の話をしていました。

そして2023年も2月に入ったころ、こちらの記事を読んで、自分が去年のロシアのウクライナ侵攻を遠い過去のように思っていることに、恐ろしい気持ちになりました。中原さんは、侵攻の裏にある背景について、ヤマザキマリさんの安部公房論のキーワード「壁」をフィルターに、コロナや宗教なども重ねながら論旨展開されています。ありたい「壁」のあり方を「日本の障子や襖」に見いだされる中原さんのまなざしに、思わず姿勢をただして静かに読み耽ってしまいました。── 上杉 公志

マツコ
マツコ
この記事を開くと、最初に目に飛び込んできたのは、本に貼られたたくさんの付箋でした。ひとつの記事をつくるにも、相当に読み込んで準備をいとわない中原さんのスタイルに、思わずグッときました。さすが、[多読ジム]の冊師!あそこでは読書筋が鍛えられるとうわさは聞いていましたが、[多読ジム]を体験するべしですね。ちなみに、筆が立つジャズシンガー・中原さんは最近、先日発表された芥川賞受賞作品『この世の喜びよ』の書評も、執筆してくださいました!

マツコ’s plus One!? 

筆が立つジャズシンガー・中原洋子さんの初書評!!!

 

⦿【ISIS BOOK REVIEW】芥川賞『この世の喜びよ』書評 ~ジャズシンガーの場合

 

2  川野’s 推しキジ! 
      ─ 流麗な文章表現でPick!

 

⦿イドバタイムズ issue.17「編集初め」はにぎやかに~卯年お正月エディッツの会レポ

こどもたち対象の編集ワークショップお正月番スペシャルが紹介されています。私たち大人が感じる「正月らしさ」は安心するくらいにちゃんと感じるのに、子どもが楽しんで取り組める編集ワークが展開しているのが本当に素晴らしい。
『懸蓬莱図』の掛け軸の構成要素を三位一体に腑分けして子どもに渡すところなどは、表面を取り繕って表層的に簡単に見せるような手口とははっきりと一線を画しています。

 

それにしても気になるのは参加者の子が作った「舞い上がれ僕の凧とNHK」という俳句。あまりに意外な取り合わせて、多様な解釈が頭の中をぐるぐると回り出す、なかなかの「問題作」です。  ──川野 貴志

 

マツコ
マツコ
川野さんとマツコの出会いは、編集の型をつかって短歌や俳句をつくる[風韻講座]だったんです。それだけに、問題作?!も生まれた俳句ワークショップが気になりました。10分で33もの俳句が、つまり、1分で3.3俳句が生み出されていたわけですよね。おそるべし、こども編集学校。編集学校の型を使えば、連想が働いて、大人も子供もいくらでも芭蕉になれてしまうということが証明されたようなお正月でしたね~。お正月エディッツの会とはなんだろう?と12月には思っていたマツコでしたが、謎がだいぶ解明されてスッキリ♪

 

マツコ’s plus One! 

 

こども編集学校について知りたい方は、

連載「イドバタイムズ 」を見よ!

  • 3後藤’s 推しキジ! 
          50[守]卒門記念でPick!

 

⦿【田中優子の編集宣言】必要なのは編集力 自由への方法を獲得せよ

 

[守]の50期記念で開催された田中優子先生の「編集宣言」を阿曽祐子師範がJUSTレポートしてくださいました。

優子先生ご自身のイシス編集稽古体験と江戸時代を重ねながらのお話の中で、ハッとしたことがありました。

それは職業と身分が密接だった江戸時代の人が自由を求める方法として「名前を変えて幾つかの「場」に身を置くこと」を選んだということ。[守]で稽古する「たくさんのわたし」は江戸時代から連綿と続いていた方法なのだと思うととても勇気が出ました。記事を読んで、あぁ当日参加したかったと心底悔やみました・・。──後藤 由加里

マツコ
マツコ
最近は阿曽祐子さんの記事が光りますね~!イシス編集学校が[守]のコースに外部の知を入れていく初企画が、田中優子先生の講義でしたね。外部の知といっても、優子先生は守破離のすべてのコースを受講されているお方でもあるんですね♪ この会の後、講座指導陣の中では思考が刺激されて、様々な新しい試みが生まれているのだとか。「編集の型」と「江戸の方法」。親和性がたくさんあるそうなので、また深く伺ってみたいですね。50[守]の皆様、卒門おめでとうございます〜

 

マツコ’s plus One! 田中優子先生★特集!!!

 

?【新春企画★Quedist】田中優子さんインタビュー(1)ISISデビュー:広げるほど深くなる

?『江戸問答』帯撮影の裏側 10shot

?【AIDA】江戸時代にブルシットジョブはあったのか? 田中優子先生インタビュー

?田中優子さんの語る『情歴』の3つの読み【ISIS FESTA SP速報】

?「学校教育ができないことばかり実現している学校ですね」優子先生のエール!【78感門】

 

  • 4 吉村林頭’s 推しキジ! 
          ─ イシスの今をPick!

 

⦿【推しメン/14人目】編集者歴32年!アルク編集者・白川雅敏は、なぜイシス編集学校で師範を続けるのか

 

松岡正剛校長も注目の推しメン企画。ランキングでも上位に入る人気連載コンテンツである。ところがである。早々とランキングから消え去った推しメンがいた。[破]師範のラクダこと白川雅敏のインタビュー記事である。[守]、[花]、[破]と師範や番匠を歴任したベテラン師範だが、なんとなくイシスを続けているという、その不埒な態度が不評をかこったのかもしれない。こんなこと話して、破門かもしれないと恐れていた白川だったが、その心配は的中したか。推しメン記事としては異色となったエディスト。これをきっかけにラクダ浮上となるといいが、いかに。──吉村 堅樹

マツコ
マツコ
林頭、いえいえ、ランキングがすべてではありません(笑)、なんともふわっと肩の力が抜けるような、心地よい記事ではありませんか?! パパな一面も垣間見れ、編集者としての顔も初めて聞かせていただきましたよ~。

  ラクダ:この話長くなりますがいいですか?

  林頭:はい、面白く話してくだされば。

インタビュー中のこのやり取りに、クラっとクスっときたマツコでした。

で、ラクダはただのラクダじゃなかったという、たくさんのラクダを引き出した記事を執筆した梅澤奈央さんも、イチオシするにちがいない。ということで、見逃した方はぜひラクダに出遭ってみてね!

 

マツコ’s plus One! 

 

ラクダ師範ってただものじゃないんだぞ

DUST王だからって、井ノ上シーザー、ちょっといじりすぎだぞ

 

?村上春樹へ取材の敏腕編集者・白川雅敏‐イシスの“らくだ”【前編】

?下を向くアフ感名幹事・白川雅敏-イシスの“らくだ”【後編】

?上を向いて笑う白川“らくだ” 44[守]伝習座前日の本楼

?砂漠のらくだは、マイクをケチる 45[守]伝習座リハ

?白川”らくだ”の限りなく透明に近い存在感を憂う

 

 

みなさんのオシは、見つかりましたか?

以上、2023年1月の記事から、エディスト編集部の”イチ推しキジ” を厳選してお届けしました。

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

  • ISIS co-mission (イシス編集学校アドバイザリー・ボード)

    イシス・コミッション DO-SAY 2025年6月

    イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]

  • 田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)

    学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]

  • 【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする

    芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]

  • 【タドクラ通信(25春)】「私の本棚」、続々誕生中!

    この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]

  • 水無月

    イシスDO-SAY 2025年6月

    イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。   6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。