松岡正剛 ×イシス多士済々 教育新聞の長期連載スタート!

2020/01/02(木)20:46 img
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 読書力低下の深層には編集力の低下がある。
 教育新聞元旦号に松岡正剛校長の3時間になるインタビュー「松岡正剛さんに聞く 読書力低下の深層(上)」が掲載された。(全文は購読会員限定コンテンツ)。表面化している日本人の読書力低下の問題から、東西文明の違い、日本語成立の歴史から維新期に何を失敗したのかまで校長の話は及んでいる。今回のインタビューを担当したのは教育新聞編集委員 佐野領氏。校長とは産経EXのBOOKWARE連載で勝手知ったる間である。
 
 今回のインタビューを佐野氏による章立ての見出しだけ紹介してみよう。
 前編
 ・ヨーロッパ型読解力がたどった道筋
 ・ヘロドトスや聖書は元々ブログ的
 ・漢字の文章は文字の意味から読む
 ・漢字に出会った日本人の大改革
 ・現在の読解力は江戸中期にスタート
 ・明治維新 東西の差を組み立て損ねた
 
 後編
 ・情報とは何か 3つのキーワードで理解する
 ・情報は「乗り換え」「着替え」「持ち替え」を起こす
 ・連想力を磨くスキル①問・感・応・答・返
 ・連想力を磨くスキル②冗長度を含んだ授業
 ・連想力を磨くスキル③集合知をみせるワークショップ
 ・連想力を磨くスキル④スキルにゲーム性を持たせる
 ・日本にはクリエイティビティの評価言語がない
 

 目次を一読して内容が大体想像できたという方は、かなりの松岡正剛フリークか、イシス編集学校の師範もしくは千離衆であろう。前編は歴史を紐解くことで、どこに問題や課題があるのかを明らかにし、後編では教育問題に対し具体的な解決方法を示している。

 教育新聞では校長のインタビュー2回に続き、イシス編集学校による「探究と方法」と題された連載がスタートする。第一回は法政大学総長で千離衆でもある田中優子さん、第二回は金蘭千里中高の国語教師で師範の師範とも呼ばれる川野貴志師範、第三回は『先生、この「問題」教えられますか』(新書y)を昨年12月に出版したばかりの矢萩邦彦師範代を予定している。その後も、様々な師範、師範代のラインナップで一年以上に渡って連載が続いていく。アクティブラーニング、自己肯定感、探究学習、e-ラーニング、リカレント教育、リベラルアーツ、21世紀型人材といった教育業界のキーワード。イシス編集学校がこれらのキーワードに対して、20年の実践からどのような可能性を示せるのか注目である。

 
 
  • 吉村堅樹

    僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。