サプライズは2度やってきた~49[守]かく書く然り教室汁講

2022/08/28(日)03:32
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 正真正銘のサプライズだった。7月27日に行われた49[守]かく書く然り教室(三津田恵子師範代)汁講でのことだ。2時間半にわたる編集ワークとイシス語りに「異次元のような楽しさ」の声も聞かれた。しかし、この夜を「異次元」にしたのは学衆の宮田一宏さんだった。

 

 「みなさんの似顔絵を描いてきました」。

 

 汁講終盤、こう話し始めた宮田さん。高校の美術教師で、教室では「宮田画伯」と呼ばれる。夏休みの合宿前、準備の合間を縫って師範代と学衆全員の似顔絵を“妄想”で描いてくれたのだ。回答や勧学会発言などテキストから連想したアナロジカル似顔絵がこちらだ。

 

 

 画面越しに歓声があがる。感謝と感激と感動。「感」が入り混じって言葉にならない。感想は後日、勧学会で募った。

 

湯村桂子さん「いつもクールな画伯の熱い愛溢れる似顔絵に感動しました!『元気ハツラツ』に描いていただき嬉しい限りです」

 

本郷仁さん「なんと素敵な似顔絵。とてもカッコよく描かれているので、どうにか近づくように頑張ろうと思います!」

 

山口イズミさん「貫禄のクイーンをありがとうございます。テキストに潜む其々のキャラと画伯の略図的原型が出会うのですね」

 

西宮・B・牧人さん「愛嬌と哀愁の混ざった複雑な表情に、私はメロメロになりました。プロフィール画像にどんどん使わせて頂きます!」

 

三津田恵子師範代「襟元の引き締まった和服姿、後ろで束ね丸くまとめた髪型、キリリとした眼差し。別様の私をまたひとつ発見!」

 

 

かく書く然り教室汁講の様子。中央が「宮田画伯」こと宮田一宏さん

 

 

 

 ところが、宮田画伯のサプライズは1度で終わらなかった。

 

 「汁講中、内職をしていました。手元でリアル似顔絵を描いていたんです」。

 

 自己紹介では野球のグローブになりきって話した。ワークでは、ニュウドウカジカに「ルパンの抜け殻」と新たにネーミングした。そして「破に行かないわけにいかない」と進破宣言までした宮田画伯。汁講を楽しみながら、パソコンの下で誰にも気づかれず手を動かしていたのである。おそるべし宮田画伯である。

 

 学匠や番匠、師範も描き加えたリアル似顔絵は、これが本邦初公開。かく書く然り教室のみなさんにも初お披露目となる。

 

 サプライズは2度繰り返されて伝説となった。

 

 

 

  • 景山和浩

    編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。