【参丞EEL便#013】高校生 共読ファシリテーターが登場

2022/07/20(水)13:00
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本は、それぞれに強烈な個性を持っている。

書棚や図書館は、本という想像力を収納し、閲覧可能にして、世界中の人々の読みをディスプレーする。並び方ひとつで、選び方の工夫で、本のラインナップは、文字の宇宙にも、江戸文化の劇場にもなる。私たちは、佇んだり、分け入ったりして、いかようにも本の森を探究できる。

 

かえつ有明中学・高等学校と編集工学研究所は、本を自在に出入りしながら問いと対話を深める「探究型読書」を活用した取り組みを、「科学道100冊」を用いた授業など、数年にわたり実施してきた。
「自分は何に関心があるのかわかった」「いろいろなことをもっと知りたいと思うようになった」という生徒の声からも、本×対話によって、他者の見方を通じて自分の世界が広がっている様子がわかる。そして、生徒たちが、未来をつくる当事者になっていく。(詳しくは、こちらのレポートをご覧いただきたい)

 

8月6日(土)に、「THE CAMPUS SUMMER FES 2022」をコクヨ株式会社が開催する。

2021年2月15日のオープンした、みんなのワーク&ライフ開放区「THE CAMPUS」@品川の魅力をより多くの方に知ってほしいという想いを込めた、一日限定の夏休みスペシャル企画である。ふだんは一般公開しないオフィスフロアやショールームも一部開放するサマーフェスになる。

 

コクヨさんとご相談し、フェスの一コンテンツとして、かえつ有明高等学校・編集工学研究所共催「Co-Edit 共読ワークショップ」を実施する。今回は、生徒が共読ファシリテーターをつとめる予定だ。学ぶ側から、教える側へ。学内から、社会へ。ここまでの取り組みが、次のフェーズに入る。

本が、自分の世界を広げるツールにもなることを、ご体験いただける。ぜひとも、さまざまな方にご参加いただきたい(親子でのご参加も受けつけています)。


「THE CAMPUS SUMMER FES 2022」開催概要

■日時:2022年8月6日(土) 11:00〜17:00(最終入場は16:00迄)※雨天決行

■場所:コクヨ東京品川オフィス THE CAMPUS(屋内・屋外スペース)

■住所:東京都港区港南1-8-35

■入場料:無料 ※一部の飲食やワークショップに有料コンテンツあり

■主催・運営:コクヨ株式会社

■参加方法:事前申し込み制(以下URL参照)

■URL:https://thecampussummerfes2022.peatix.com

■ワークショップの事前申し込み:https://thecampussummerfes2022ws.peatix.com

*社会情勢を鑑み上記情報は変更となる可能性があります。

 

 

[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]

//つづく//

 

  • 橋本英人

    函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。

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コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。