37[花] 夏だ、キャンプだ、旅立ちだ!

2022/07/06(水)17:17
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7週間に渡る道場や錬成場での鍛錬を越え、いよいよ、週末のキャンプに向けて出発だ。

「編集学校のお泊まりキャンプ今から楽しみです^^」

「どんな内容なのか、ソワソワワクワクしています」

「いよいよキャンプ。何が起こるのでしょう?!」

と入伝生の言葉も軽やかだ。

 

 ここまで急勾配が続く険しい道のりだった。子育て中のは「夜行性のオセロット、寝かしつけ寝落ちから復活してきました(苦笑)」と早朝4時に指導へのフィードバックを返す。大学生のは「昭和のサラリーマンを憑依させ24時間戦う決心をして、執念で、眠気と戦いながら頑張ります」と宣言し、授業と並行しながら指南を放つ。それぞれが崖っぷちから送信ボタンを押し続け、編集筋力をつけていく。

 

 花伝式目最後のM、Makingのフィナーレが近づく頃、入伝生の指南は見違え、交わす言葉も変化を見せる。余白が掴めないと悩んだKは、丹念な言葉で熟談する錬成師範 村井宏志の指導を受け「花伝で一番褒められた気がして、素直にうれしい。連想は意外な武器になるかも」と笑みを零す。Oも「ズタボロの部分もあるのですが、それよりも奥深さや楽しさが圧勝しています!」と力強く締めくくり、村井も微笑む。

 

 困難の末、5Mの修得に手応えを感じた入伝生は、更なる成長を求め、道場を飛び出し、キャンプに向かう。もちろん、花伝所のキャンプと言えば、優雅なグランピングではなく、泥だらけのサバイバルキャンプである。地図もない、ガイドもいない、トイレもない。

 

さぁ、生き残るための旅支度だ。手にしたばかりの秘伝の5Mに、キャンプらしく「遊び心」をリュックサックに詰めこもう。どう生き延びて、どう遊びたおすのか。37花、一度っきりの夏だ、キャンプだ、旅立ちだ!

 

文 美濃越香織(花伝師範)
アイキャッチデザイン 阿久津健(錬成師範)

 

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  • イシス編集学校 [花伝]チーム

    編集的先達:世阿弥。花伝所の指導陣は更新し続ける編集的挑戦者。方法日本をベースに「師範代(編集コーチ)になる」へと入伝生を導く。指導はすこぶる手厚く、行きつ戻りつ重層的に編集をかけ合う。さしかかりすべては花伝の奥義となる。所長、花目付、花伝師範、錬成師範で構成されるコレクティブブレインのチーム。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。