“はじめての再会“が生まれるところ 

2022/04/09(土)10:56
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はにかみ湛える恒久・ほほえみ溢れる和奈。49[守]伝習座、休憩時間のミメロギアだ。ちょうど1年前に開講した47[守]で、新井和奈はアイドル・ママ教室師範代、渡辺恒久はその担当師範として半年間を共にした。コロナ下に加え、渡辺が海外在住だったことも重なり、これがリアルでの初対面だった。


47[守]のチームラウンジに「守に帰ってくれば、恒久師範がいる、と思えることが私の心の支え」と、新井は記していた。その言葉に導かれたように、49[守]師範として伝習座ゲストの渡辺と“はじめての再会”を果たした。

イシス編集学校はコロナ以前からオンラインの学びの場だった。教室は、EditCafeと呼ばれるインターネット上にある。そこで交わされるお題・回答・指南は、テキストによるコミュニケーションだ。
文字の組み合わせであるテキストだが、そこには師範代の熱や学衆の幼ごころが埋め込まれている。文字による対話を繰り返す度にそれぞれの教室らしさが立ち上がる。文字のやりとりだけで似顔絵も描ける


EditCafeを離れ、直に対面した時、多くの学衆がつぶやく。「はじめてなのに懐かしい」。

言葉は不完全でゆらぎのあるコミュニケーション手段だ。だからこそ互いの「地」に思いを馳せ、メタファーを磨いて交し合い、テキストで信頼を築こうとしていく。
49[守]は4月25日に開講する。“はじめての再会”があなたを待っている。

  • 石井梨香

    編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。

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コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。