律師砲にご用心【78感門】

2022/03/25(金)13:08
img DUSTedit

 律師、八田英子の不意打ちには要注意だ。

 

 半年ぶりにISISロールに復帰し、48[破]で初番匠に挑もうという2022年春。水ぬるむ3月にそのメッセージはやってきた。

「ふくよさん、お帰りなさーい」

 八田らしい柔らかい口調だが、油断してはいけない。
 思い起こせば2年半前、13[離]火元組真っ最中に「2週間後に43[破]が開講するのですが、ふくよさん、久しぶりの[破]師範代、いかがでしょう」と、師範代ロールにアサインされた。待って、隙間がほぼないんですけど?! 退院式前がめちゃめちゃ激務なんですけど?!

「確かに。でも大丈夫です」

 その根拠はいったい。

 

 あれを思えば、2週間後に迫った第78回感門之盟2日目「出世魚コーナー」の進行役をやってほしいというリクエストなど可愛いものだと思ってしまった。たとえ元は京都からzoom参加の予定だったとしても、だ。

 スケジュールを確認するまでもなく、20日と22日のぎっしり予定が詰まった両日の間で、21日はまるっと空いていた。というか、空けてある。他ならぬ感門之盟にオンライン参加するためだ。

 

 そして3月21日、感門2日目。ふくよは本楼の壇上にいた。
 「7人も要らない」と可愛い学衆からチャット欄でいじられているとは露知らず、48[破]を担う8人の師範代と出世魚した教室名をぶんぶん紹介していく。出世魚にちなみ、鯉が龍になる登竜門をイメージした龍モチーフの服で臨んだのだったが、久々の本楼に緊張してか他の理由でか、すっかり頭からとんでいた。

 

 律師砲にはくれぐれもご用心。


  • 福田容子

    編集的先達:森村泰昌。速度、質、量の三拍子が揃うのみならず、コンテンツへの方法的評価、厄介ごと引き受ける器量、お題をつくり場を動かす相互編集力をあわせもつ。編集学校に現れたラディカルなISIS的才能。松岡校長は「あと7人の福田容子が欲しい」と語る。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。