この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

先達が舞台をのぞきこむ。食い入るように見つめる先には出世魚教室名と、それを眺める校長松岡正剛の姿があった。
破の教室名は出世する。守の教室名を活かしながら、それを成長させるのだ。もちろん命名は松岡だ。48[破]を担う新教室の名前を紹介しよう。
◆ 小椋加奈子 師範代
真面目で過激な、元舞台女優。板付Bダッシュは「特B」に。「得だぞ」とは松岡。「特BはAより上だから」
特別な金棒もって、さらに走り出す。
◆ 大濱朋子 師範代
石垣島に住む、パウル・クレーが大好きな美術の先生。発表の時間帯は、飛行機のなかだった。クレーはクォートに。大濱師範代のQが点閃してゆくはずだ。
◆ 山本ユキ 師範代
図書館に関わるお仕事で、職場ではじつは学匠原田淳子の先輩にあたる。韻を踏んだ教室名がすでになじんでいる。
◆ 渋江徹 師範代
「『それ』を考えたいと思います」との渋江の言葉に、松岡は「『弓と禅』を読んでね」とヒントを。エディスト読者も該当千夜を読まれたい。
◆ 阿部幸織 師範代
46[守]師範代登板後、今期物語14[綴]を績了。「あの時」より「いま時」との痺れる心意気で、満を持して登板。
スターシードが群生していった。阿部の胸のうちは、こちらの記事で。
◆ 輪島良子 師範代
オーストラリア・ブリスベンから、室内に電飾をはりめぐらせて待ち構える輪島良子。出世した名前を聞いて「猫が消えて電気が伝に……。あ、”Style束”なんですね」とすぐさま謎解き。たくさんの方法を手にさらなるスパークが。
◆ 岩橋賢 師範代
6[離]を退院した千離衆、イシスの講座を全コンプリートしたエビマヨ好き。「勿体」があるのか、ないのか、つくのか、つけるのか。もっともっとの48破が始まる。
◆ 佐藤裕子 師範代
「やっぱり、あんたは幕末だよ」「維新を起こします」
出世魚教室名史上初、[守]の2教室の一種合成となった。2種の教室から出世するほどのキャリアをもつのは佐藤しかいない。佐藤がイシスの先頭を率いていく。
スライドデザイン:穂積晴明
写真:上杉公志
記事準備:松原朋子
協力:福田容子
文:梅澤奈央
命名:松岡正剛
応用コース 第48期[破]
入門日:2022年4月11日(月)
稽古期間:2022年4月18日(月)~2022年8月7日(日)
詳細・お申し込みはこちら
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。