感門之盟リハーサルの先陣を切る、47[破]P-1グランプリ

2022/03/18(金)00:32
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好きなものデコポン カフェラテ スイートピー

人立ち交じるリハーサルの夜

と寺田寅彦をもどいてみる。編集学校人はリハーサルが大好きだ。仕事の後だろうが、急だろうが、呼ばれればダッシュで馳せ参じる。

 

第78回感門之盟の3日前、本楼でのリハーサル一番手は、[破]のP-1グランプリ出場チームだった。学衆、師範代、師範が本楼にやってくる、遠方の学衆とクラスメイトたちはzoomで集合する。吉村堅樹林頭や、感門之盟の演出・進行を統括する衣笠純子に立ち会ってもらい、初のプレゼンにいどんだ。

 

脈診カーソル教室の三浦一郎は「ふりかけ」で世界を変える。八客想亭教室の鈴木悠也は「靴」で世界を発見する。時たま音だま教室の高本沙耶は「マスク」が世界だったと訴える。彼らが持ち出したのは、どれも日常的なささやかなモノだ。小さなモノからどれだけ豊穣な世界を描けるかがハイパーミュージアムのチャレンジである。林頭や師範からのディレクションやコメントを受け、学衆と師範代は勧学会に駆け戻る。実は3教室とも、もう毎日のように、勧学会での議論とzoomミーティングを重ねている。

 

リハーサル好きは校長のミームでもある。田中泯さんとの舞台でも、丸善150周年記念講演「千夜千冊の秘密」でも、何度も入念にリハーサルを行ったときく。本番直前のリハこそが前夜祭、そのタイミングでしか気づけない、生まれないものがある。きっと、ここから相転移が起こる。これから3日でプランはハイパーの境地に到達するにちがいない。もう1回の本楼リハを経て、本番は21日(月・祝)16時から。47[破]の本気を目撃せよ。


アイキャッチは、時たま音だま教室学衆の高本沙耶&細田陽子師範代のなごやかコンビ。後ろ姿の林頭が見守る中、初プレゼンに臨んだ。

  • 原田淳子

    編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。